映画「カーテンコール」(佐々部清監督)
10点満点の6点(傑作ではないがそれなりに。)
以下の文章はネタバレを含んでいます。
妻の誘いで映画を見に行った。
リサが生まれた5年前くらいから
映画情報にアンテナを張っていないので
最近は妻が映画のナビゲーターになっている。
この映画は全国ロードショー前なので、
見ていない人が大部分だと思う。了承されたい。
さて、肝心の感想だが
「質の良い食材を揃えながら調理に失敗」という感じ。
宣伝ポスターの明るい印象と対照的に
物語の内容はシリアスで深く濃密である。
このような物語は、本来映画に適しない。
映画には「2時間」という事実上の時間枠があるからだ。
結果、演出やせりふ回しは必然的に上滑りする。
例えば、登場人物の女性が、自分を捨てた父のことを聞かれて
「父には、私がどれほど苦労したのかわからない」というように
はき捨てるように語る場面がある。
しかし、この重要なセリフにリアリティを持たせるには
その「苦労」を観客に納得させるだけの描写が必要なのだ。
日常の繰り返しから生まれる感情を描くには
日常の繰り返しを描くのが最良だ。
また、逆説的だが人間の心理・感情に迫っていく映画では
セリフが情報を伝えるようではいけない。
セリフのむこうにある感情という情報が
映像によって伝えられなければならない。
この映画は、まさにそのようなタイプの映画だったと思う。
映画を作る以前の材料は申し分なく
俳優たちの演技にも納得だっただけに
(特に藤村志保、奥貫薫の演技にはグッと来るものがあった)
なおのこと、演出・脚本の不出来が悔やまれる。
「半落ち」の佐々部清監督ということで
期待度が高くなってしまったのが
低い評価になってしまった原因かもしれないと思いながら
次回作に期待。