フレッシュフィッシュのルールについて | risaのボードゲームレポート

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Risaファミリーがプレイしたゲームの紹介をかねたレポートです。

2月26日に、当ブログで 『フレッシュフィッシュ』 のプレイレポート を掲示させていただきました。

その記事について、けがわさんから、写真例の左から4列目、手前から2列目の区画は 「道路にしなければならない」 旨、コメントを頂戴いたしました。

このご指摘について、当方からは、プレナリー版ルールにおいてルール上矛盾のない判断と捉えている旨、ご返答させていただきました。(詳細は当該記事のコメントをご参照ください。)

risaのボードゲームレポート-フレッシュフィッシュ


その後何度かメールをやりとりさせていただき、さらに各版のルール差分をまとめた資料を作成、お送りして、論議を重ねさせていただいたのですが、結論の合意には至りませんでした。

先日、別件で 2F-Spiele の Henning Kröpke 氏とメールで会話させていただく機会がありましたので、ルールの曖昧な部分を明確化すべく、本件について質問をさせていただきました。

以下に参考として、Henning 氏の回答内容を掲載させていただきます。


1.必要条件の追加

Henning 氏はまず、ルール上、建物タイル/アウトレットタイルの建設後に満たさなければならない2つの必要条件に、新たな条件を追加して考えることが必要であると述べられました。

① すべてのセンタータイルとアウトレットタイルは、道路へのアクセス経路を確保していなければ
   ならない。(既存)
② すべての未開発区画は道路へのアクセス経路を確保していなければなければならない。
   (新設)
③ すべての道路と未開発区画はつながっていなければならない。(既存)


2.②を追加する理由

次に Henning 氏は、②を追加する理由を以下のとおり説明してくれました。

例の写真で、円が描かれた未開発区画が先に建設されると、あるプレイヤーが後から、左側の 「行き止まり」 の区画にアウトレットタイルの建設をおこないたいと考えても、道路との接続が確保できない状況になってしまう。
このような状況が発生しないよう、将来その 「行き止まり」 の区画に置かれるかもしれないアウトレットタイルのために、その区画からの道路へのアクセス経路を確保しておく必要がある。
このため、(写真例では核廃棄物処理場が置かれたとき) 「行き止まり」 ができたタイミングで、
円が描かれた区画は、先に道路に変えてしまわなければならない。


つまり、ボード上に残っている未開発区画すべてについてアウトレットタイルが置かれるケースを想定し、その区画の道路アクセスに必要不可欠となる区画は、先に道路に変えなければならない、ということです。
(ゲーム上、重要となるのはセンタータイルとアウトレットタイルだけなので、このような保護の考え方があるようです。)
このルールであれば、三方を囲まれて 「行き止まり」 状態の区画ができた場合は、その時点で、最後の一辺を道路にしなければならなくなります。

ルール上、『建設の結果、道路と未開発区画を2つに分断した場合は、ただちに道路に置き換える。』 ことと、『センタータイルとアウトレットタイルが道路にアクセスするために必要となる区画は、ただちに道路に置き換える。』 ことは明示されているのですが、上記のポイントは明示されていません。

この点について Henning 氏は、「2F版、プレナリー版の双方とも、ゲームのすべてを理解することを困難にする、ルール上の穴、および誤解を招く表現がある。」 ことを指摘されています。


そうなると、ここで問題となるのは、プレナリー版に明記されている以下のルールです。

『落札したアウトレットタイルを配置したときにルール違反となる建設をおこなったら、そのアウトレットタイルをを自分の前に置き、ゲーム終了時に最長距離として得点計算をおこなう。』

そもそも私がブログのコメントの回答として掲載させていただいた解釈の根拠は、このルールを前提としており、「ルール違反となる建設をおこなったら」 という状況がゲーム中に発生しうるのであれば、「そのような建設をおこなってしまう区画を、事前に道路に変えてしまうという考え方を採ると、ルール上の矛盾が生じる。」 という点を中心としていました。
さらに、『状況を変化させるために、そのような区画を予約してもかまわない。』 とまで書かれているのでなおさらです。

このようなプロセスを経て、「その時点で建設すると道路を分断してしまう区画であっても、将来的に合法的な建設ができうる区画となる可能性があるならば、その時点では道路にする必要がない。そのような区画は、ルール違反の建設がおこなわれた時点で道路に換え、ペナルティを課す。」 という解釈に(矛盾なく)至ったわけですが、この点について
Henning 氏に質問をしたところ、答えはとてもシンプルで、「ルールの記載誤りです。」とのことでした。

おぉ、そうなってしまうと、前提は完全に覆ってしまいます。

Henning 氏によれば、ルール中に記載されている 『ルール違反となる建設をおこなった区画』 という表現は、『ルール違反の建設をおこないうる区画』 という表現に読み変えなければならず、したがってこのようなペナルティが発生しうる状況は発生しえない(すべて事前に道路に置き換えられているので)、ということでした。

Henning 氏は最後に、プレナリー版ルールにある 『アウトレットタイルを落札しても予約している区画がなければ、そのタイルを自分の前に置いて、ゲーム終了時に最大距離として得点計算をおこなう。』 というペナルティは残る、とおっしゃっています。


これら一連の説明により、当該記事に関しては、けがわさんのご指摘どおりであり、当ブログの記事で説明させていただいたルールが誤りであることが判明いたしました。


本件に関しましては、けがわさんに多大な時間を割いていただいて、メールのやりとりにおつき合いいただいたことを、本当に申し訳なく思っています。

また、このゲームの最大の紹介者であるけがわさんのご見識の深さを知ることで、いろいろな面で勉強にもなりました。


記事を読んでいただいたみなさまには、誤解を招く内容となってしまいましたことを、また、誤ったルールによるプレイで時間の浪費をされた方がもしいらっしゃるようでしたら、お詫び申しあげます。

最後に、
Henning 氏が 「このゲームはフリードマンのベスト 3のひとつだと考えている。」 とおっしゃっておられたことを書き添えておきます。

正しいルールで、この素晴らしいゲームを楽んでいきたいと思います。

パパ ペンギン