DVD鑑賞しました
百万円と苦虫女
森山未來・・・(中島亮平)
ピエール瀧・・・(藤井春夫)
笹野高史・・・(白石)
佐々木すみ子・・・(藤井絹) 他
解説
ほろ苦い青春ロードムービー
ひょんなことから各地を転々とすることになるヒロインの出会いと別れ、そして不器用な恋を丹念に映し出す
転居を繰り返しながら、少しずつ成長して行く主人公の姿に共感する
あらすじ
職浪人中の鈴子は、アルバイトをしながら実家で暮らしていた
彼女は仲間とルームシェアを始めるが、それが思いも寄らぬ事件に発展し、警察の世話になる
中学受験を控えた弟にも責められ家に居づらくなった彼女は家を出て、1か所で100万円貯まったら次の場所に引っ越すという根無し草のような生活を始める
リリィの評価 ★★★★☆
感想
どうせロードムービーを観るなら、見知らぬ異国の地の美を堪能できる洋画がいいなと思っていたけれど、そんな私の偏見を引っ叩くような邦画でした
背景が身近な日本の土地だからこそ、旅する主人公に共感することもあるのだと・・・
鈴子の踏んだり蹴ったりの刑事事件から、心を鷲掴みにされました
バイト先の先輩は、毎日顔を合わせているから何となく親しいような錯覚をしてしまうけれど、個人的な交流がろくにないまま部屋をシェアするのは無謀
更に事情をよくよく問い質してみれば、彼氏連れ・・・非常識にもほどがある
が、仕方ない、安請け合いしてしまった自分が悪いと思って受け入れるしかない
その矢先、蓋を開けてみれば奇妙な同居はとんでもないオチへ続いた・・・
百万円って、まあ大金には違いないけど、パッと使おうと思えば一晩で使い切ってしまえる額ですよね
でもそれだけ貯金するのに、どれほどの労力を必要とするか、少なくとも一晩で稼げる額では到底ない
百万円貯まったら家を出ていく宣言をした鈴子に、弟が尋ねる
「何で百万円なの?」
「百万あれば、とりあえずやっていけるような気がする」
で、コツコツ働いて、実行しちゃう鈴子
最初の行き先は、海の家
かき氷を作って、上手いと煽てられて、人から誉められたことなんかなかったから、お姉ちゃん嬉しかったよと弟宛の手紙に書く
そこでも人付き合いが苦手な彼女は、親睦を図ろうと近づいてくる男の子に見えないバリアを張っている
人と関わらないようにしたいのは、傷つくのが怖いから・・・
また目的の百万円に到達したら、はい、立つ鳥は後を濁さずでバイバイ
次の行き着いた先は、山の農家、住み込みで桃を捥ぐ
若い都会の女性が精を出すのに感心した村人たちが、挙って鈴子を「桃娘」に祭り上げようとする
人に深入りしてほしくないのは、自分に自信がないから、責任を持てないから・・・
今度は目的もそこそこに逃げるように、はい、さようなら
次に行き着いた先は、小さな町のホームセンター
同じ店の大学生のアルバイトと恋に落ちる
口を閉ざして笑っていれば上手くいくかと思っていた、でも違う、相手と向き合わなくてはいけないんだ
不器用な鈴子がいろんなことを遠ざけてきた自分の過ちに気づいたのは、皮肉にも大切な人の心を見失ってしまったせい
新たに歩き始める鈴子は、次の街こそは怖がらずに他人との関係を築こう、と弟への手紙に綴る
鈴子の人間不信さと臆病は、人見知りな一面を隠している私には、骨身に染みて理解できました
失敗を恐れては前に進まないけれど、傷つくのは痛くて、先にリスクを考えて尻込みすることもある
でも自ら作った他人との壁を越える一歩を踏み出す勇気を鈴子に思い出させてくれたのは、辛い現実と戦う生意気だけれど可愛い弟
小さな身体に負けん気を宿して困難に立ち向かう弟は、いつか目にした光景、意地悪な同級生に屈せず返り討ちにした姉の姿に、感銘を受けたから
「お姉ちゃんを見習う」なんてツンデレの弟に言われたら、鈴子じゃなくても愛おしさを感じてしまいます
姉と弟は、最大の見所でした
涙も出そうになりました
そして、鈴子と亮平の恋愛
お互いに相手と一緒に居られることを深く望んでいたのに、意思の疎通が下手な2人は方法を間違えてしまいました
優しさの擦れ違い、すごく切なかったです
ラストシーンではてっきり追いついて・・・と願ったのに
え~ん、煮え切らない
誤解したまま、誤解されたままと言うのが、妙に苦いですが、これが現実と言うものだよね

