境内の近くにあった東屋に『飛鳥時代の大ロマン 真野長者・般若姫物語』という看板に一連のストーリーが書かれていたので、そのまま書かせていただきます。
はじめてわが国に仏教が伝わったころの遠いむかしのことです。
豊後の国、三重郷・玉田の里に藤治という少年がいました。幼くして両親と死別し、炭焼きの又五郎に育てられ、炭焼小五郎と呼ばれるようになりました。
姫は持参の黄金を取り出し「これで何か食べ物を買いましょう」と小五郎に渡しました。
しばらくすると、何も持たずに帰ってきて、「下の渕にカモがいたので捕まえようと、あの石を投げたが当たりませんでした」と言います。姫は驚き「あれはただの石ではなく黄金という宝ものなのです」と教えました。小五郎は「あの石なら炭焼がまの周りや下の渕にたくさんあります」と答えました。姫はビックリしてさっそく連れて行ってもらいました。
渕にはたくさんの黄金があり、水が渦巻いて黄金の亀が浮かび上がってきました。
姫は夜の夢に現われた“金亀が渕”に違いないと思い顔を洗いました。すると、アザはみるみる消えて美女となり、小五郎も体を洗うとステキな美男に変身しました。二人は黄金を拾い集め、たちまち大金持ちにとなり、人々から真野長者(真名野長者)と敬われるようになりました。
金亀ヶ渕
此の渕は昔南都久我大臣の真名娘玉津姫が炭焼小五郎(後の真名野長者)を尋ね来て黒痣のお顔を洗われたところ不思議にも黒痣が消え去り、絶世の美女となられた縁の渕である。後に小五郎と姫が夫婦の契りを結ばれた際 此の渕に金の亀が浮かび出て鴛鴦(おしどり)が並び遊んだと言われ小五郎夫妻は大いに喜んで金亀ヶ渕と名付けられて一千四百年を経た今も尚此の渕のお水をいただいてお観音様に御祈念すれば痣が消えると言われ遠近の善男善女に信仰されている。
微妙な箇所が異なりますが、この場所の水を汲んで近くの観音像に祈念すれば痣が消えるというわけですね。で、般若姫の話は?
…疲れちゃった。