学園ものかと思いきや、内容が深かった「乙女の密告」赤染晶子 | Tous les jours

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「乙女の密告」赤染晶子 新潮文庫

 

乙女というのは、ある外国語大学のドイツ語ゼミで、スピーチコンテストのために暗記・暗誦に情熱をかける女子学生たちのこと。乙女の心理がいろいろと書かれているので、学園ものかと思いきや、スピーチコンテストの課題「アンネの日記」に関する深い話も展開されて、面白く読みました。

 

文庫版で、本文96ページという薄さで、手に持った時は「このページ数で文庫にしたんだ」とちょっと驚きましたが、読んだ後の余韻を考えると、他の短編を組み合わせないのは正解かもしれないと思いました。