静かに溜まっていた君との思い出が

私が生きながらえることによってどうでもいい記憶とともに頭の奥のほうにしまわれていく

詰め込まれていく

つぶされていく

薄くなっていく

消え去ってしまう


隣にぬくもりのない寝台の上で見る喜劇は

とても笑えたものではなくて

救いようのない結末は

救いようのない結果を再構させる


淵をなぞるように思い出が張り付きながらおちていく様子にすら

目を伏せて逃げようとする

喜劇はいう

「底辺さえ見えれば他はどうもしない」

甘く溶けていくような君の指先が

私の小言を受け止めて

飛語私を知る


寝台の上で涙する私に喜劇は頭を悩ませる

床に這い

探し回れば確かに

ぬくもりの跡があった

ゆるゆると

とめどないなみだがほほを伝う

色を変えるはずの床は

残念ながら人工物だった

君の指先は今どこに


喜劇が声を上げる

「底辺さえ見えれば問題ない」

下窩沈み込み

小恋悶死

救いようのない世界で

底辺を見上げるとそこには

いつもとかわらぬ朧月



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お月様は夜ですよね

題名負けしてますね、わかってます。