中学校三年生、夏。
二学期が始まり、受験が本格的になり始める季節。
そんな私・櫻井鈴音(15)は父の都合で住み慣れた東京を離れ、ここ大阪までやってきた。
東京とはなにもかもが違うこの街で、私は新しい学校に通うことになった―――
「と・・・東京から来ました!さ、櫻井・・・鈴音です・・・・・・」
緊張の余り声が上擦り、語尾が小さくなってしまった・・・・・・。
へ、変に思われたかなぁ・・・?
小さくなる私に構わずクラスの話は進んでいく。
バラバラに「よろしゅうな!」「声かわえぇ・・・」等などの声が聞こえる。
そんな声に更に小さくなる。
(どうせ、あと半年位の付き合いだし・・・)
なんて心で思っていたりする。
私、暗いから。
「ほなら、櫻井はあの席や」
「は、はい!・・・・・・何処ですか?」
どっとクラスに笑い声が響き渡る。
うぅ・・・。またやっちゃった・・・・・・。
消えていなくなりたい・・・。
「しゃーないなぁ。白石!手ぇ上げてやり」
そうするとスッと手が上がった。
上げられた左手には包帯がぐるぐる巻かれている。
(怪我・・・してるのかな?)
ぼーっと考えていると、その男の子が
「櫻井さん、こっちやで」
と、声をかけてくれた。
「は、はい」
鞄を抱えて包帯の男の子の隣へ移動する。
今日から、私の席だ。
ピカピカとは言い難いが、他の人の机よりは綺麗になっている。
前の学校とは違った机だ。
椅子を引き、おずおずと座り、せめて隣の包帯の男の子に挨拶とお礼を言わなくちゃ、と思い横に顔を向ける。
「よ、よろしくお願いします。あと、さっきは、えと・・・ありがとうございました」
やっぱり人と話すのは苦手だ。
何を喋っていいか判らなくなる。
いつもみたいに俯き気味な私。
すると―――
包帯の男の子の顔が間近に私の視界に入ってきた。
【覗き込まれてる】と気づくのに数秒かかった。
「ぇ・・・ぁ、ぇ?」
「よろしゅう、櫻井さん。お礼なんてええんよ」
ニコリ、と整った顔で笑う包帯の男の子。
男子になれていない私。
顔が赤くなって勢いよく顔を上げた。
心臓がバクバクいってる。
「驚かせてすまんなぁ。よく顔が見えなくて、つい」
「い、いえ!・・・お気になさらず・・・・・・」
相手の顔を直視できなく、もじもじしていると―――
「せや。自己紹介してなかったな。 俺は白石蔵ノ介。これから卒業までよろしゅうな」
そう言って、左手を差し出した。
いきなりだったのでどうしていいか判らず、口からでた言葉が、
「ひ・・・左手、怪我ですか?」
なんて言ってしまった・・・。
「ん?ああ、怪我やないで。健康そのものや」
そんな私の質問にもちゃんと答えてくれた。
「じゃあ、なんで包帯巻いてるんですか・・・?」
「そこら辺は気にせんといて」
そう言って微笑した。
男の子とこんなに話が続いたことに、私は吃驚していた。
いつまでも差し出された手をそのままにするのは相手に失礼だと思い、おそるおそると手を握りかえす。
所謂、握手。
握手と言えど、小さい頃ぶりの私。
やっぱり顔が赤くなる。
でも心の片隅に客観視してる私もいる。
(手、私のなんかより全然大きいな・・・)
またまたぼーっと考えていると、相手の手に力が入る。
そこでハッと我にかえった。
いつまでもやっていたらただの変人だ・・・!
「こちらこそ!その・・・よろしくお願いしますです」
ペこりと頭を下げる私に包帯の男の子――基、白石君は軽く苦笑しながら言った。
「別に敬語にならなくてもええんよ?俺ら、同い年やで?」
「はっはい」
「櫻井さんはおもろいなぁ」
「私なんか・・・面白くないです」
善意で言ってくれたであろうその台詞は、私の記憶を呼び出した。
余り良い思い出ではない、記憶を。
視線を下に向けた私に白石君は左手を手から離した。
そして―――
「俺でよかったらなんでも聞いてや。判らないことでもなんでも、な?」
左手が頭の上に乗せられ、くしゃりと撫でられた。
その行動に心臓が止まるかと思った。
そのままホームルームが始まった。
嗚呼、なんだろう。この気持ち。
ドキドキして白石君にお礼が言えなかった。
もしかして私―――
(白石君に、恋しちゃったのかな・・・?)
生まれて初めての恋。
嬉しいような、悲しいような変な気持ちだ。
でも、なんとなく。
相手が白石君でよかったと思った。
長い・・・。文章長いっ!!
なんとなく書くつもりがめっちゃ長くなっちゃいました☆←
これ続くのかな?←
読んで頂きありがとうございました!!
二学期が始まり、受験が本格的になり始める季節。
そんな私・櫻井鈴音(15)は父の都合で住み慣れた東京を離れ、ここ大阪までやってきた。
東京とはなにもかもが違うこの街で、私は新しい学校に通うことになった―――
「と・・・東京から来ました!さ、櫻井・・・鈴音です・・・・・・」
緊張の余り声が上擦り、語尾が小さくなってしまった・・・・・・。
へ、変に思われたかなぁ・・・?
小さくなる私に構わずクラスの話は進んでいく。
バラバラに「よろしゅうな!」「声かわえぇ・・・」等などの声が聞こえる。
そんな声に更に小さくなる。
(どうせ、あと半年位の付き合いだし・・・)
なんて心で思っていたりする。
私、暗いから。
「ほなら、櫻井はあの席や」
「は、はい!・・・・・・何処ですか?」
どっとクラスに笑い声が響き渡る。
うぅ・・・。またやっちゃった・・・・・・。
消えていなくなりたい・・・。
「しゃーないなぁ。白石!手ぇ上げてやり」
そうするとスッと手が上がった。
上げられた左手には包帯がぐるぐる巻かれている。
(怪我・・・してるのかな?)
ぼーっと考えていると、その男の子が
「櫻井さん、こっちやで」
と、声をかけてくれた。
「は、はい」
鞄を抱えて包帯の男の子の隣へ移動する。
今日から、私の席だ。
ピカピカとは言い難いが、他の人の机よりは綺麗になっている。
前の学校とは違った机だ。
椅子を引き、おずおずと座り、せめて隣の包帯の男の子に挨拶とお礼を言わなくちゃ、と思い横に顔を向ける。
「よ、よろしくお願いします。あと、さっきは、えと・・・ありがとうございました」
やっぱり人と話すのは苦手だ。
何を喋っていいか判らなくなる。
いつもみたいに俯き気味な私。
すると―――
包帯の男の子の顔が間近に私の視界に入ってきた。
【覗き込まれてる】と気づくのに数秒かかった。
「ぇ・・・ぁ、ぇ?」
「よろしゅう、櫻井さん。お礼なんてええんよ」
ニコリ、と整った顔で笑う包帯の男の子。
男子になれていない私。
顔が赤くなって勢いよく顔を上げた。
心臓がバクバクいってる。
「驚かせてすまんなぁ。よく顔が見えなくて、つい」
「い、いえ!・・・お気になさらず・・・・・・」
相手の顔を直視できなく、もじもじしていると―――
「せや。自己紹介してなかったな。 俺は白石蔵ノ介。これから卒業までよろしゅうな」
そう言って、左手を差し出した。
いきなりだったのでどうしていいか判らず、口からでた言葉が、
「ひ・・・左手、怪我ですか?」
なんて言ってしまった・・・。
「ん?ああ、怪我やないで。健康そのものや」
そんな私の質問にもちゃんと答えてくれた。
「じゃあ、なんで包帯巻いてるんですか・・・?」
「そこら辺は気にせんといて」
そう言って微笑した。
男の子とこんなに話が続いたことに、私は吃驚していた。
いつまでも差し出された手をそのままにするのは相手に失礼だと思い、おそるおそると手を握りかえす。
所謂、握手。
握手と言えど、小さい頃ぶりの私。
やっぱり顔が赤くなる。
でも心の片隅に客観視してる私もいる。
(手、私のなんかより全然大きいな・・・)
またまたぼーっと考えていると、相手の手に力が入る。
そこでハッと我にかえった。
いつまでもやっていたらただの変人だ・・・!
「こちらこそ!その・・・よろしくお願いしますです」
ペこりと頭を下げる私に包帯の男の子――基、白石君は軽く苦笑しながら言った。
「別に敬語にならなくてもええんよ?俺ら、同い年やで?」
「はっはい」
「櫻井さんはおもろいなぁ」
「私なんか・・・面白くないです」
善意で言ってくれたであろうその台詞は、私の記憶を呼び出した。
余り良い思い出ではない、記憶を。
視線を下に向けた私に白石君は左手を手から離した。
そして―――
「俺でよかったらなんでも聞いてや。判らないことでもなんでも、な?」
左手が頭の上に乗せられ、くしゃりと撫でられた。
その行動に心臓が止まるかと思った。
そのままホームルームが始まった。
嗚呼、なんだろう。この気持ち。
ドキドキして白石君にお礼が言えなかった。
もしかして私―――
(白石君に、恋しちゃったのかな・・・?)
生まれて初めての恋。
嬉しいような、悲しいような変な気持ちだ。
でも、なんとなく。
相手が白石君でよかったと思った。
長い・・・。文章長いっ!!
なんとなく書くつもりがめっちゃ長くなっちゃいました☆←
これ続くのかな?←
読んで頂きありがとうございました!!

