医療美容師の一日。
がん治療を受けている方にとって、見た目の変化は想像以上に心を揺さぶるものです。
今回は、そんなお客様との出会いと、サロンでの出来事をご紹介させていただきます。
美容が持つ力、そして“人に寄り添う”ことの大切さを、日々改めて感じています。
Kさん(仮名)は、乳がんの治療を終えたばかりの50代の女性。
抗がん剤の副作用で髪が抜けてしまい、「もう鏡を見るのも辛い」と、ご家族に漏らしていたそうです。
そんなKさんを心配した娘さんお二人が、当サロンの医療美容サポートを見つけてくださり、勇気を出してご来店くださいました。
Kさんは、少し緊張した面持ちでサロンにいらっしゃいました。
まずはプライベート空間で、ゆっくりとお話を伺いながら、頭皮の状態やお悩み、ご希望のスタイルを丁寧にカウンセリング。
- 施術が終わり、鏡をお見せすると——
Kさんはしばらく無言のまま、静かに涙を流されました。
「鏡を見るのが怖かったけど、こんなに自然で明るく見えるなんて…もう一度外に出かけてみたいと思えました」
その言葉に、私も胸が熱くなりました。
美容は、外見を整えるだけでなく、心に光を取り戻す力を持っています。
私たちはこれからも、一人ひとりの「その人らしさ」に寄り添い、自信と笑顔を取り戻すお手伝いをしていきたいと思っています。