ひより plus -17ページ目

ひより plus

パピヨン三姉妹との日常。

バ飼主は、やっぱりどこまでいってもバ飼主…


翌日。病院へ電話しました。

「散歩を増やしたり、食餌を工夫して、体力をつけさせた方がいいでしょうか」

「そんな時間は有りませんよ。普通に穏かにしててください」


ごもっともです。


確定診断が出たら、一刻も速やかに切除手術が一番の治療方法。

どこを読んでも、どう調べてもそれしか書いていない。


体幹部(胴体)の方が予後が悪い… 

患部を中心に3cmのマージン(領域)を切除する事が必要。

四肢であればマージンがとれないので、断脚。

耳や尾に出来れば切断。


このちびっこからどうやったら6cmもの表皮を切り取れるのよと切れる。

麻酔で死んだらどうするのよと切れる。

取りきれなかったらどうするのよと切れる。

あかりさんがいなくなったらどうすんのよと切れる。

みのあかそっくりの、色違いでしかない首のラインがもう見れないんだと、ウルウルする。


バカはバカなりに精一杯もがきました。


泣きながらの報告が終わり、とにかく自分を落ち着けようとする。

なんにもわかっていないあかりさんは、きょとんとしながら私の頬を舐めていて。


とにかく目をこすって涙を止め(小学生かい)、支払いを済ませ、今後のスケジュールの確認をし病院を出ました。

いつもかわいがってもらっている旦那さんの両親へも報告して、暫くガタガタしてしまう旨を説明して。


自宅へ帰るとお気に入りを食べさせ、少し遊んでからネット検索開始。

やっぱりあまり良い事は書かれておらず、少しの傷でも予想外にあかりさんが出血した事もこの病気の特性だと知り・・・


セカンドオピニオンは考えませんでした。

ネット上に誰でも読める形で書き込む事は初めてですが、ひよりさんも昔腫瘍を患いました。

幸い良性でしたが、その時や、これまでの治療経過等で私たちは先生を信頼しています。


あかりさんの腫瘍の事をメールした友人に、「誤診だといいね」と慰められましたが、「残念ながら家の世話になっている獣医師は腕がいい」と返信しました。

既往症や性格からも、あかりさんの事をわかってくれていて、手におえなければ専門医に任せる事も出来るネットワークをもっている事も知っていたからです。

それに、情けない程にお嬢さんたちを溺愛している私たちの事も知ってくれているからです。


獣医師が診るのは動物だけではないのだと、改めて痛感させられました。

粗忽者です。


ふと昔の自分のブログを見て、ちょっとした手の怪我話とか、「そんな事もあったな」なんて思いつつ。


今年はゲリラ豪雨に慌てて洗濯物を取り込もうとベランダへ、ついて来ようとしたひよりさんに「ダメ、戻りなさい」とぴしゃりとサッシを閉めたら。


バチンと挟んだ右手の中指人差し指。


痛い、痛すぎるよ。


しっかり内出血し、爪は割れ、最近まだ爪に薄い部分があるもののやっと復活。

本当に元に戻るには後1ヶ月はかかりそうで。


そして昨日はなぜか職場でこけました。

椅子ごと。


したたかに打った尻と、足。

ぐおんと揺れた首に、昔の交通事故の後遺症が疼きます。


年齢相応の落ち着きは何時になったら身につくんでしょうか。


よばれて、いつものように「おはようございます」と診察台へ。


いつものように落ち着かないあかりさん。


軽く押さえてコートを掻き分けてもなかなか見つからないポッチ。


「あ、あった。これです」


先生は何でもないとは言ってくれず、小さな注射器を取り出して、ポッチに刺しました。

暴れるあかりさんをお気に入りのおもちゃでなだめて、「ん~。なんか気になるね」と言われながら、染色標本が出来上がるのを待ちました。

診察台の上、おもちゃで機嫌を直しつつあるあかりさんでしたが、小さな針跡からは予想外の出血が有り、もうポッチの位置は探す必要も有りませんでした。


顕微鏡を覗いていた先生が、モニターに電源を入れました。

この電源が入るという事は、今までの経験上見せるべき物があるということで…


「肥満細胞腫ですね」

モニターが入ってからの胸騒ぎは、私の中で絶望に変わりました。


肥満細胞腫と言う名前を聞いた時に、大抵の飼主が「太ってるからですか」なんて聞くそうですが、私は残念ながら予後のあまり良くない悪性腫瘍だと知っていたからです。


確定診断は細胞診に出してからとか、今後の流れをざっくりと説明されて一旦外へ。

受付に外にいますからと伝えて、電話で旦那さんへ報告。

そして電話口で号泣でした。

2008年9月26日の朝。


朝ご飯を食べる時は、旦那さんの膝の上で甘えている事の多いあかりさん。

いつもの朝でしたが、普段は撫でようとする手を舐めてしまい、上を向いてしまうから撫でる事の少ない首を珍しく大人しく撫でられていました。

旦那さんの手に何か違和感が。


コートを掻き分けると、ほんの3mmの小さな虫刺されのような、小さなポッチがありました。

角度によってはハーネスの金具が触れる場所も近く、もしかして金具に挟んでしまったのかなんて思ったりもしました。


ここで普段なら少し様子を見ようとなるんですが、今回はなんだか嫌な感じがしました。

実際にちょっとした不調では、絶食や好きな物を食べさせて食欲の回復を図ったりなどで、病院へ駆け込む事はあまり無く、犬との暮らしそこそこベテランな落ち着いた対処をしているんですが、この日は1時間後にはあかりさんと病院の待合室にいました。


もちろん「大げさな」と笑ってもらう予定でした。

待合室で雑談していた相手の方も、「元気ね。どうしたの」なんて聞かれたから、「ちょっと気になって」とあかりのポッチを見せたら、「あーそんなんなんでもないよ」「そーですよね」なんて素人同士の暢気な会話。


暑過ぎず、病院が終わったら散歩へ行こうと考えていた暢気な私。


でも、どこかざわざわした不安感が消える事はありませんでした。


嫌な予感と言う物は、妙に当ってしまうもののようです。