『ミッドナイト・ラン!』
著 者:樋口明雄
出版社:講談社文庫
評 価:★★★☆☆
- ミッドナイト・ラン! (講談社文庫)/講談社
- ¥780
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あらすじ(裏表紙)
みんな死んでるはずだった!練炭集団自殺を実行寸前の男女五人組。突然でくわした、ヤクザに追われる少女を助けるが、誘拐を疑われ警察に指名手配されてしまう。追っ手のヤクザから無数の弾丸の雨あられ、パトカーからは包囲されても、奴らはとことん走り続ける。痛快無比なジェットコースターノベル。
感想
『武装酒場(記事はコチラ
☆)』『武装酒場の逆襲(記事はコチラ
☆)』『酔いどれ犬(記事はコチラ
☆)』『爆風警察(記事はコチラ
☆)』などのエンターテインメント色が強い作品。
正直、何作品読んでも、やはり『狼は瞑らない』『光の山脈(記事はコチラ
☆)』等のハードボイルド山岳小説の方が好みでおもしろく感じる。
でも、何も考えず、アタマを使わず楽しく本を読みたいときにはエンターテインメント系の作品がスカッとしてよい。
本作は、インターネット掲示板(集団自殺するため)でたまたま集まった5人+幸か不幸か途中で巻き込まれた(自ら飛び込んだ!?)1人の6人組が織り成すドタバタアクションストーリー。
自殺の理由も、「あー…」と気の毒に感じるものから、「はっ!?甘えるな!」というもの、そして理解不能なものまで。
そんな彼らが、そして周囲の人々が事件を通じて変化したもの、得たもの。
本を読んでいるのに、頭の中で勝手に映像が流れてくる。
まるで映画を見ているよう。
そして、そらいろのタクシーが夜空を跳ぶ!
やはり樋口さんの文章力と表現力はすごい。
ハッピーなだけのラストではなく、思うコトはあるけれど。
スッと爽快な気持ちになった。
ラスト、みなそれぞれ前向きなスタートを切ったようだが、あの人のエピローグは幸せなのだろうか?
前向きな再スタートを切って幸せだったと思いたい。
たまにはこんな作品を読むのもいいな。
いいかげんに、数年積んだままの『約束の地』を読まなきゃ…!
「冬に読む☆」と行ってから、何度目の冬を迎えるんだ。。。
ぽちりと一押し、よろしくです☆