このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」8巻に対する感想を書いています。
こちらは後編その1です。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 8巻 中編」をお読みください。
ネタバレ注意です。
羅漢が鳳仙を身請けしている頃、マオマオは壬氏(ジンシ)から、羅漢を恨んでいたわけではなかったのか?と尋ねられます。
「嫌っていますが恨んじゃいません」
「多少度の過ぎた対応を取りがちではありますが うまく当ててくれたおかげでここにいますから」
うまく当ててくれた…まぁ、それはそうだけど言い方よ…。
壬氏は羅漢が無理やり妓女を孕ませたと考えたようですが、実際のところは、避妊薬も堕胎材もあるなかで妊娠したのであれば、それは妓女の意思がそこに存在したからである、とマオマオは言います。
つまり鳳仙はもともと羅漢との子どもを妊娠するつもりでいて、まんまと引っかかったのは羅漢の方だったというわけです。
しかし当てが外れた(と鳳仙は思った)ため、我を忘れて自分と子どもの指を切り落とし羅漢に送ったのでしょう。
そう考えると鳳仙怖くない?
狙い通りに妊娠したまでは良かったけど、羅漢は身請けしに来てくれず、連絡もなくなったからヤケになって自分の指を切り落として、更には幼いマオマオの指も切り落として、それを羅漢に送りつけたんだよね?こっわ…。やってる事ホラーだよ…。
全ての事情を知った上でマオマオが羅漢を嫌う理由は、初対面の時に、血塗れの状態で(←やり手婆に殴られたあとだったから)、ニヤニヤ笑いながら近づいて来たことに恐怖を覚えたため。そして、尊敬するおやじどのが羅漢の才能を手放しで褒めていたから嫉妬して、というものでした。
マオマオにとっての父親は、血が繋がっただけの羅漢ではなく、育ててくれたおやじどの・羅門(ルオメン)なのです。
そんな大好きで尊敬するおやじどのが、手放しで褒める才能なんてめったにありません。だからこそ、そんな才能を持っている羅漢のことが憎たらしく感じてしまうのでしょう。
そんな羅漢は、鳳仙を身請けできたことで、10日間も休みを取り、三日三晩ならぬ、七日七晩も宴をするそうです。相当な浮かれ様。(笑)
梅毒に侵されている鳳仙の先はもう長くありません。しかし、それでも幸せならオッケーです、って感じなのかな?なんにせよおめでとう。
お祝いの気持ちをこめて、マオマオも後宮の外壁の上から花街の方へ向け、見送りの舞を踊ります。(こっそりしたつもりが壬氏にバレて叱られたけど)
羅漢と鳳仙のせいで、マオマオの人生は穏やかなものとはいきませんでしたが、おやじどのの娘として幸せになったのだから、それはもう良いのだそう。
歪んだ小指にキスをして、花街を見つめるマオマオの表情は穏やかです。
穏やか…なんだけど、踊ったせいで脚の傷口が開き、血がどろぉり。
焦る事もなく、
「心配せずとも、酒精(アルコール)と針と糸を持ち歩いていますので」
と外壁の上で縫おうとするマオマオを抱きかかえ、壬氏は急いで医務室へ向かいます。
その道中、抱きかかえられたマオマオは急にモジモジしながら「ずっと言いそびれた事がある」と壬氏に言い出しました。
「どうしても言わなくてはいけない 大切なことでした」
いつもと違い、少し照れたような様子のマオマオに淡い期待を抱いた壬氏。ごくり、と生唾を飲みながら早く言うように急かすと…
「では… 牛黄を ください」
恋する乙女のようなキラキラの表情で言うマオマオ。すかさず頭突きを返す壬氏。
「まっ まさか用意してないのですか?!」
ってマオマオ…そういう事じゃないでしょう!!
あんたって子はほんとブレない…。壬氏が不憫です。(笑)
壬氏はねぇ!マオマオのために霊薬ばかり集めているから、それが噂になって、執務室がお見舞いの品で溢れちゃったんだからね!!(笑)
マオマオが相変わらずで、いつもの日々が戻ってきたところで、今回はここまで。
次回は「薬屋のひとりごと 8巻 後半その2」へ!