このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」4巻に対する感想を書いています。

こちらは後編となります。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 4巻 中編」へ。

ネタバレ注意です。

 

 

風明の処刑が終わり、その親族にも様々な処罰が下されました。

そして、事業を幅広くやっていた風明の実家と関わりのある家の者たちにも、その影響は広がります。

それが後宮の下女の大量解雇です。

 

後宮で働く下女の中で、風明の実家と繋がりのあった家の者は、解雇されることとなってしまいました。

そのことを小蘭(シャオラン)から聞いたマオマオは嫌な予感を覚えます。

 

誘拐されて後宮にきたマオマオですが、その書類上の実家は交易を行っている商家でした。風明の実家と何らかの関りがあったかもしれません。

もしそうだった場合、マオマオも解雇の対象者です。

 

解雇されて花街に戻れるのは嬉しい…けれど、李白(リハク)を紹介して以来、まだ上客を緑青館に紹介できていないのです。

それはつまり、借金を返せていない状態で帰るという事。すなわち…身売りは確実!

 

なんとしてでも身売りを回避したいマオマオは、壬氏のもとに走ります。

 

一方そのころ壬氏は、解雇者リストの中にあるマオマオの名前を見て思い悩んでいました。

リストにある以上、マオマオは解雇しなければなりません。

しかし、そうしたくない。

そんな壬氏の様子を見ていた高順(ガオジュン)は隠ぺいすることを提案します。

壬氏の立場では、隠ぺいは容易いことです。

しかし、マオマオは誘拐されて無理やり後宮に連れてこられた身。

きっと実家に帰りたいだろう、と壬氏は考えます。

ここで事実を隠ぺいし、マオマオを後宮に縛り付けて、そのことをマオマオに知られたらどう思われるか…。

平民と貴人の区切りをつけたがるマオマオ。

 

「区切られた境界の隙間がこれ以上開くのが こんなにも恐ろしい」

 

そんな壬氏に高順は言います。

 

「壬氏さま。都合のよい駒ではなかったのですか?」

 

んも~~~~!!

大丈夫だよ壬氏!!マオマオは後宮に残りたがってるよ!!

お互いに素直に自分の気持ちを話せば万事解決だよ!!

 

壬氏のもとに駆け付けたマオマオ。

壬氏はマオマオに解雇者リストを見せます。

あぁ…解雇か…とうなだれるマオマオ。

しかし自分の立場上、やめてくださいとは言えない。

「どうしたい?」という壬氏の問いに、「命じられればやります。」と答えました。

解雇にしないでくれ、と願いながら。

それに対する壬氏の答えは、

 

「わかった」

「金(退職金)ははずもう」

 

ちっが~~~~う!!

違うよ壬氏!!

ブッブー!はずれ!その対応は間違い!アウト!

ダメだってばぁ~~~!!!!

 

そんなワタクシりおさをれの叫びは届かず(当然)、マオマオは解雇されることになってしまいました。

 

玉葉妃から「後悔しても知らないわよ」とチクリ。

 

そうだそうだ玉葉妃よく言った!もっと言ってやれ!!

と思いましたが、すでに後悔しまくりでどんよりじめじめしている壬氏にかける言葉がありません…。

 

あんまりにも落ち込んでいる様子の壬氏に、ため息が止まらない高順。

 

「まったくもって手間のかかる厄介な主人だ」

 

そう思いながらも、その厄介な主人のためにひと肌脱ぐことにしました。

 

壬氏にきのこが生えるほどじめじめしているその頃、マオマオは花街に戻っていました。

退職金をはずんでもらえたお陰でなんとか身売りは避けられたようですが、短期アルバイトの妓女として、とある宴に呼ばれました。

同時に呼ばれたのは梅梅(メイメイ)白鈴(パイリン)女華(ジョカ)

緑青館の三姫です。

この三人を同時に呼びつけるとは、とんでもないお金持ちがいたものです。

 

自分の役目は引き立て役だと理解したマオマオは、盃が空かぬように目を配らせながら宴での仕事(お酌)をこなします。

すると、何やらどんより沈んでいる、この場に似つかわしくないほどじめじめしている人が。

そう、壬氏です。

「壬氏さま?」マオマオが声を掛けると驚く壬氏。

なぜこんなところに?と問うと、短期アルバイト中だと返事が。

 

妓楼で仕事中ということは…まさか…とマオマオの貞操について考える壬氏に「個人で客はとったりしていませんよ。まだ」と答えるマオマオ。「まだ」って…。

 

「なら俺が買ってやろうか?」

 

「…いいかもしれませんね。もう一度後宮勤めも悪くないです。」

 

ここでようやくお互いのすれ違いに気付いた壬氏。ふっと笑って、

 

「そうだよな お前 そういう奴だよな」

 

 

…ふぅ~。

やっとだよ!!やっと…まったくもう!長いよ!!

最初から素直に気持ちを伝えていればこんなことにならなかったのに!!!

ヤキモキさせられるこっちの身にもなってよ!高順とかさぁ!!

 

…でもまぁ、良かったね。

 

数日後、はちゃめちゃな大金と、虫から生えた奇妙な草を持って、壬氏はマオマオを無事に身請けしました。

宴を催した高順GJだね。

 

てか花街にいながら妓女として身売りすることなく、イケメンの大金持ちから所望されて身請けされる…って、どんなシンデレラストーリーかと思うよね。

 

これにて4巻は終了。

面白いと思ったら、ぜひ漫画「薬屋のひとりごと」を読んでみてね!

 

次回は「薬屋のひとりごと 5巻 前編」へ。