ある実験
ご訪問ありがとうございます。
今日は絵に関してちょっと面白いと思ったお話をします。
よくデザインの基礎のような本を読むと、トーンの話とか色の話とか構図の話とかのセオリーのようなことが書いてあります。
例えば、淡色のトーンは、乳児期のおもちゃや洋服に好ましいとか
赤は目を引く色なので、目立たせたい物に使うといいとか。
私は5~6年前に色彩検定を受けまして、2級までなんですけど、そこでそういった“色”について少し勉強しました。
面白かったです。
人の目や色自体の構造について学んだんですけど、哺乳類としての人の進化まで考えさせられたりしました。
それまでは、絵を情緒的にしかとらえていない感じがあったような気がしましたが、
科学を感じました。
今、絵を描いていますが、その時学んだこともベースになっています。
そして、色の科学的なメカニズムを学んだと同時に野村順一氏の著書に出会いました。
「色彩生命論」です。
これは、色彩療法などについても書かれています。
ここが面白いんです。
今、ビルの中で野菜を作ったりしていますが、その時に赤色光や青色光の照射を行って、野菜の成長をコントロールしたりしていると、この間テレビで見ました。
色のついた光は、生命体に影響を及ぼす訳です。
例えば、青い部屋に入るとなんとなく寒い感じがしたりしますが、実際体温が下がったりしているそうです。
このあたりは結構多くの方がご存じなんではないかと思うのですが、
赤や青の光は分かるけど、そこまでそこまで人間の生命に影響なんて及ぼさないでしょ~、
と私は思ってました。
ところがちょっと不思議な体験をしたことがあるのです。
ここで、以前に私が描いた絵を紹介します。
この絵は黄色を主調色にした絵です。(水彩画)
この絵になんかすごく反応を示した人がいたんです。
普通の反応じゃないんです。目をぐっとむき出したような。
それで、その人は「この絵はいい」っていったんです。
「どこがですか?」って聞いたら「黄色がいい」って言うんです。
その人はどうも絵そのものを「いい」って言ったわけではなくて、黄色だけがいいって思ったようです。
別の人にこの絵を見せると、「この黄色が変」って言ったりされるんです。
だから、そんなに特徴があって、素晴らしい特別な黄色っていう訳ではないと思います。ですよね?
不思議な反応だな、と思って「色彩生命論」を見てみました。
色にはそれぞれ様々な病気を治癒する力があるそうで、
この本にはその色がどういった病気に効果があるのか書かれています。
そして、「黄色」の項目を読んでみると、治療効果のある病気は、
便秘、糖尿病、消化作用、湿疹、鼓腸、半身不随、腎臓、消化不良・・・
と書いてあります。
あんまり詳しく書くのもちょっとと思いますけど、へ~と思いました。
体調と色彩の好みが一致するのかなと。
後日、他の人に見せた時に、やはり同じような反応をする人がいました。
おそらくその人もそうなんじゃないかな・・・。
以前、ブログの記事の中で、“絵は役に立つのか?”と思い悩んだと書いたことがありますが、
この一件で、“あっ、絵って役に立つんだ!”って思ったんです。
何気なく好んで見ている絵があるとしたら、その絵は体調を管理する役割をもっているのかもしれないと思ったんです。
例えば私はピンクの色が好きで、女性はピンクが好きな人が多いと思いますが、
女性ホルモンを活発にさせる色とあります。
こういった好みも偶然じゃないのかもと思ったりしています。
今、取り組んでいる絵の中に、その実験を重ねているものもあります。
以前紹介した、「心のしじまに」という緑のベースに白の花の絵がありますが、それもその実験の一環です。
「人間を幸福にする絵」が私のテーマである訳ですが、「幸福」に対してこういうアプローチもありだな・・・と思ったりしています。
もし、色彩に詳しい人がいらしたら、現在色彩の研究ってどうなっているのか、教えていただけるとありがたいです。