私の好きな絵 「JOB」 | 油絵を描いています、けどマンガも始めました

私の好きな絵 「JOB」

ご訪問いただきまして、ありがとうございます。


昨日はちょっとお休みして、みなさんのブログを楽しませていただいて、パワーをいただきました。

ありがとうございます。


これまで、お話したいことの半分くらいは紹介したなって感じがしています。

私の中では、これから後編って感じです。よろしくお願いします。



さて、今日も私の好きな絵を紹介します。



ご存じ、アルフォンス・ミュシャの「JOB」です。



油絵を描いています




いかがでしょう?お好きな方も多いと思います。人気作家です。


でも、この絵は「悲母観音図」や「晩秋」、「夕暮」のように手放しでは“イイ!”と言えない葛藤がしばらく私の中でありました。


「悲母観音図」や「晩秋」、「夕暮」は、その技術、精神性ともに文句のつけようのない名作であり、


特に、日本人らしい控え目だけど深い愛にあふれたその精神性には、誇りすら感じるのですが・・・、


この「JOB」にはそういったものは感じられません。


この絵は、たばこの広告であり、この女性は単なるモデルです。


人の関心を惹きつけるだけ、の目的で制作されたものです。


深い愛だの、精神性などありません。


・・・でも、残念ながら惹きつけられることから、逃れられません。



悔しいけど、イイんです・・・。


何がイイんだろう・・・とこの絵の惹きつけられるポイントを探りました。



残念ながら答えはまだ見つかっていません。


「悲母観音図」や「晩秋」、「夕暮」の良さは、いくらでも私なりに説明できます。


ところが、「JOB」の良さは説明がひどくあいまいになります。



・・・でも、これがもう一つの「絵」の力の側面なんだろうと、納得せざるを得ません。


私が再び絵を描こうと思ったのは、この不思議さが大きな原動力になっています。



この「JOB」に限らず、アルフォンス・ミュシャの世界に対する影響力は絶大なものです。


アルフォンス・ミュシャは活動拠点だったフランスや、故郷のチェコ・スロバキアだけで大切にされるものではなく、彼の活動した時代は、世界中ありとあらゆるものに影響を与えました。


いわゆる“アール・ヌーボー”。


そしてその影響は、今だこの現代にも及んでいます。


いったい何が、その原因なんだろう・・・?



おそらく、まず一番大きいのは独特の“線、ライン”。


あと、女性や花といった「幸福感」を象徴するモチーフ。


そして構図、デザイン。



でもそればっかりのことで、ここまで世界が動くなんて・・・。





ところが、それは現実。


これも“絵”の力。


ただ、“美しい”と感じる情動のみが、世界を動かす。



私は、今も“なんでなのかな・・・”と探ってはいます。


なんだか、でも、よく分からないので、人間の脳の働きも一つ原因があるのかな・・・なんて思ったりしています。



以前、脳と絵について「絵を描く理由」の中でちらりとお話しましたが、絵によって、線や形や色の刺激が目から入り、脳に情報が伝達される訳ですよね。


その脳の働きの中で、なんらかの“快”の感覚を呼び起こす作用が、この絵にはあるんだろうな~。


今の段階では説明しきれない何かが。



こういう風に色々脳を働かせられるのも、名画たる所以のものなんだろうな。


わたしは、しょうがない降参しました。


結局この「JOB」も、好きな絵の中に加わらせずには、いられないものとなりました。



お読みいただいて、ありがとうございました。





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