ユーチューバーたちは、「学校英語では英語はうまくならない」「あれは間違っている」と強く発信してきました。確かに学校英語はテストのための英語で、文法と単語を詰め込んで、正解を選ぶことばかりが中心。でも、実は彼らも同じ構造を引き継いでいた、ということには、多くの人が気づいていません。
彼らが提唱した英語は“音”を中心にした英語学習です。発音、イントネーション、英作文、リスニングなど、とにかく耳で感じて音を真似することを最優先にした方法。それが「英語2.0」だと言われるものです。そしてその中心にあったのが、今や定番になったシャドーイングです。
ところが、このシャドーイングには決定的な問題があります。続かない。
なぜ続かないのかと言うと、やっていても“自分の発見”がまったく起こらないからです。
「あれ?もしかしてこういう法則なのか?」
「これって他のパターンでも使えるのかな?」
「自分なりの気づきがあった!」
――そういう“主体的な発見”が生まれない。
理由はシンプルで、出されたお題の英語がすべてを支配しているからです。
お題に合わせて、ただ正しい音をなぞり続ける。その“正解の音”が絶対基準になってしまい、英語を自分のものとして自由に扱える感覚が育たないのです。
これは結局、文法に縛られた英語1.0と構造が同じです。
英語1.0では文字の正解に縛られ、
英語2.0では音の正解に縛られる。
違うように見えて、実はどちらも「正解を外してはいけない」「間違えるのが怖い」という空気の中で学んでいる点はまったく変わりません。だから窮屈で、自分の英語に“面白さ”が生まれない。英語を自分の言葉として扱える感覚が育たない。
結果として、シャドーイングもまた“テスト英語”の延長線上にあります。
与えられた正解をそのまま再現できなければ「ダメ」。
失敗は許されず、間違いは恐れるもの。
この構造そのものが、英語1.0と本質的に同じなのです。
つまり、シャドーイングの致命的な欠陥は、「正解が設定されている」という一点にあるのです。
正解があるから縛られる。
縛られるから、自由に発見できない。
発見できないから、面白くない。
面白くないから、続かない。
結局、学校英語の欠点だと思っていたものを、形を変えてもう一度なぞってしまっている――
そう気づくと、「確かにそうだよな」「言われてみれば気づかなかった」と多くの人が感じるポイントなのです。
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