コレが『違法』と言うのなら、アレは許されたのか……? ㊥‐3 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

  その次の日のこと。

 

 

  同じ時間になっても『台所』には見事に誰も寄り付かなかった。

 

 

  もちろんその変化?について『疫病神』から何も言われることは無く、私からも聞くことはなく。

 

 

  その後も「彼ら」は他のケアラーがしていたように、サッサとお茶だけ作って「カメラがない部屋」に行ってしまう……というパターンになった。

 

 

 

 

  と言うか、私はこの件に関して「当時は」未だ仲が良かった?「M妻」からその日のうちに

 

 

  「アノ人達、働きもしないでっ!!」

 

  …と、しっかり愚痴の電話を貰っていたのだけど、ね。

 

 

 

 

  もちろん「M&Mズ」もやっと?手に入れた「自分達が楽」なコマは手放したくなかった訳で、どう言ったかは知らんがそれで当の『疫病神』がスネて辞めるようなことは無かった訳だけど。

 

 

 

 

  しかしその後彼らが『疫病神』に何か言いたい時は「他の人に注意する」フリをして彼女をその場に同席させる、という方式になっていた。

 

 

 

 

  もちろんそれ以後『疫病神』が「仕事」(=大抵私をイビる為)以外で台所に長時間滞在することは無くなったのだけれども、逆に私はそれ以降カメラを上手く利用するようになっていた。

 

 

 

 

  例えば『疫病神』の無理難題で『折込パイ』を作らされることになり、その過程で「よせばいいのに」さらなる

 

  『自分の手柄』

 

  …にしたかったのだろう、『疫病神』が首を突っ込んで来た時があった訳だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

  ……この時も、最終的に私が「修正」したから住人達から文句が出ることもなく=『疫病神』自身が直接責められることもなかった訳だ。

 

 

 

  しかし、実は私は『疫病神』が大急ぎで隠した=冷蔵庫に突っ込んだ「パイ生地」を、彼女が『業務用』のカワイイ声で「M妻」と夢中で?話している真っ最中に取り出し『監視カメラ』に向かって何度となく「使えない生地」を持ち上げ、まさに

 

 

 

 

 「びよ~~ん!」

 

  …と大袈裟に伸ばして見せ続けていたのだ。

 

 

 

 

  そればかりではない。

 

 

  『疫病神』がコソコソと背中を丸めて生地をコネている間も、カメラの前で数回

 

  「あそこで、あんな風にしていますけど~?」

 

 …というジェスチャーをして見せていた。

   (注;カメラで音声は届かない)

 

 

 

  それはもちろん……と言うよりも「そういう時」には……いや「そういう時」こそ、「M妻」が一部始終を『見守っている』のを知っていたからである。

 

 

 

  そも、そうでなければ『疫病神』の作業が終わった「直後」に電話が掛かって来る……なんて、余りにタイミングが良過ぎるよなあ?……と、「普通の人」なら即思いが及ぶと思うのだが?

 

 

 

  「M妻」はそれなりに頭が良いと思える人だったから『疫病神』の態度を観たばかりでなく、彼女が自分の質問にどう反応するか、という事も観たかっただろうな……と確信している私である。