ふと思い出してしまった、単なる『毒吐き』の話です | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

  

  「飛行機で一人旅」となると、『逃げ場』みたいなものが無いだけにより一層

 

  「隣」は誰になるか?

 

  …ということが気になる。

 

 

  いや、別に「隣」でなくても周囲に俗に言う『ヘンな人』が居ると、旅の質はガクンと落ちる。

 

  (「面白い」で済ませられる場合もあるけどね)

 

 

 

 

  私が某韓国系航空会社を「二度と使わない」と誓ったのは、まさに周囲の乗客達……いや、乗務員ですら……その『ヘンな人』ばかり、という印象があったことも大きい。

 

 

 

  「傍若無人」

 

  …一言で言えばこんな感じか。

 

  殆どがビジネスマン風の男性ばかりだったということもあってか、とにかく

 

 「自分のやりたいようにやるのがアタリマエ」

 

 …で、乗務員の言う事なんて無視!という態度だった。

 

  (飛行機が着陸した!と思えた瞬間に皆が一斉に立ち上がって上戸棚の荷物を取り出し始めたのには心底驚いた……もちろん、飛行機は動いている!)

 

 

 

  幸い?当時は家族三人で窓際の席だったので「隣」に気を使うことは無かったのだが、『我が家らしい』?と言う経験が一つ。

 

 

 

  当時2歳過ぎの「マオ」がトイレに行きたい、というので連れて行って戻ると、私の席(=トイレが近いのでいつも通路側)に男性が堂々と座り、多分知り合いか何かなのだろう、横の人達と大声で喋っていた。

 

 

 

  思わず歪んだ顔のまま「モト」を見ると……

 

 

 

  露骨に遠慮がちに身体を小さくしたまま、

 

  例の『ヘラヘラ笑顔』でこちらを見ているだけ。

 

 

 

  ああ、コノ人は何処であれ、何語であれ、「私(達)」を守ってくれないヒトだったな……と思い、黙って相手の男性の前に『仁王立ち』すると、彼は

 

 

  「ナンだ、コノ女?」

 

  …という顔で見上げて来た。

 

 

 

 

  もちろん(!)それでも「モト」はヘラヘラ顔のまま、黙ったまま。

 

 

  

  そこで私は英語でハッキリ、ゆっくり、

 

 

 

  「そこは、私の、席だ!」

 

 

  …と言うと、彼は軽く舌打ちして立ち上がり移動した。

 

 

 

   私は露骨にその席を手で払った後、「マオ」を奥に入れてから(=少しでも気が紛れるよう窓際に座らせていたので)自分が座った。

 

 

  するとそれまでの「ヘラヘラ顔」から一瞬でいつもの(!)「不満顔」に戻った「モト」が、わざわざこう口を開いた。

 

 

  「アッチが勝手に座って来たんだ!」

 

    (=だからボクちゃんの責任じゃない、の意)

 

 

   ……(━_━)……!

  

 

 

  …そんなこと、「普通の大人」なら誰にでも判るよね?

 

 

  私は何も答えず、ただ最大級の「軽蔑の目」で見返しただけで、「モト」もそれ以上は何も言わなかった。

 

 

 

  それが「モト」がその後、他の家族の前で

 

  「アレは素晴らしい旅行だったよな~?」

 

  …と笑顔で言っていた、長期旅行の始まりだった。