「相変わらず」と言える「ワケ~もん」 『職業体験』が来た ㊥の6 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

  それでも、その日の中で「空気が凍った」のはその程度、と言える。

 

 

  あ、後もう一つと言うか、「メガネちゃん」が

 

  「あの~、クッキーがなくなりましたけど~」

 

  …と言った時、私がまだ「ケーキ」の箱詰め真っ最中だったからか、「ジュリー」が再び

 

  「え~っと、じゃあ今度は『ケーキ』を…」

 

  …と言いながらこっちを見て来た。

 

  (「懲りる」「学ぶ」という言葉はコノ国の人達には無いのか??)

 

  

 

  そこで私は黙って「ケーキ」を一個摘まみ上げ、もう一方の手の指で「底」の部分をチョンチョンと差しながら「笑顔で」首を横に振ったから、「ジュリー」も即アアそうか、という顔になったけど。

 

 

 

  その直後に「ジョー」がやって来て、普段から『ミキサー部屋』で三人が働く場合に使うスペースをテキパキと空け、「ジュリー」に顔を向け

 

 

 

  「これが『メガネちゃん』の分だからね!」

 

 

  …と言って紙に書いた「リスト」を置いて行った。

 

 

 

  流石「リーダー」である。

 

  そうなると「ジュリー」にしても後はそれに沿って「指示」するだけでいいし、下手に

 

 

  「誰かの仕事を奪う・邪魔する」

 

  …ことになる必要も無い。

 

 

 

 

  その時「ジュリー」は当然「自分の仕事」=デコレーションをしていて直ぐに「リスト」を読むことは出来なかったので、私が先にザッと読んでみた。

 

 

 

 結構な量の「リスト」があったのだが、その中には

 

  「クッキーのカット」

 

 

  …という(その分の生地の仕込みが終わっていないので)直ぐには出来ない仕事の他に

 

 

  「マフィン」=主にリンゴのカット

 

 

  …というのもあった。

 

 

 

  実はこれ、年齢問わず『職業体験』に来た人達のド定番とも言える作業。(ハイ、私もやりましたよね?)

 

 

 

  そしてその「マフィン」の仕込みはその日の私のリストの中にもあった。

 

 

 

 

  そこで私は「覚悟」を決める。

 

 

 

  よし、今からしばらくは私が「メガネちゃん」の相手=「指導」をしてみよう、と。