基本食材を分配し、「食品棚」をチェックし、「箱」の補充もしてその時点で必要なモノを「買い物リスト」に書き込んだ後は、『定番品』の確認と箱詰用意、となる。
『カミ』は典型的「多品種・少量販売」。
表向きは「オーダーケーキの店(というか「工房」?)」だが、『カミ』を支えているのはカフェやレストランへの「卸」。
特に「お得意様」と言えるチェーン店があり(ここがコケたら『カミ』も大騒ぎだろうな~、と本気で思う💦)そことの関係はもう「下請け工場」のようなものなのだが、それ以外の店でも定期・不定期で結構な数の「卸先」があり、注文の中身はまさに「多種・多品目」。
司令塔と言える「ジョー」など、よくまあ頭の中が混乱しないものだと毎度感心させられる。
それでも『大定番』というか看板商品とも言える、毎回「必ず」一定量の注文が入るというものが三種類あり、仔細は言えないが仮にそれを
「ケーキ」「クッキー」「マフィン」
…としよう。
これらはいわゆる「焼きっ放し」=焼き上がった後にデコレーションの必要が無い品々であり、特に「ケーキ」と「クッキー」は前日に生地を仕込んでおけるものなので先ず朝一番に焼き始める。
この『定番品』には専用の「リスト」があるので、それをチェックしながら先ずその為の「箱」を用意して行く。
注文数に沿って必要な大きさの箱を選び、組み立て、注文先を書き込み、『アレルギーラベル』を張るまでが最初の段階。
日本でも最近は厳しくなっていると思うが、コノ国では『アレルギーラベル』の記入・添付は必須。
「ジュリー」曰く
「一度、忘れてさ~、
それもそのまま出荷されちゃって~。
(多分、上に他の箱でも重なっていて見落としたのだろう)
『サラ』に、
殺されるんじゃないかって
勢いで怒られたわよ~!」
……う~ん、普段温厚……を超えて「ほんわり」した感じの「サラ」がそんな態度になるなんてにわかに信じられなかったが、それだけコノ国では大変な事になる、ということなのだろう。
ちなみにこの『アレルギーラベル』の内容、「マフィン」は簡単なのだが「ケーキ」と「クッキー」は微妙に中身が違って記入も変わるものが出るので、私などラベルの小さな文字に苦戦しながら
「…え~と、コレは〇と☆と~△で~、コッチは~…」
…などと日本語でブツブツ呟きながらやっているのだから、知らない人が見たら結構怪しいオバさんになっていると思う……!