「ヨシコさん」の話 「身内贔屓」の歪みと冷静な「岡目八目」? ② | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

  「ヨシコさん」個人に絡むエピソードを書く前に、何故私が「職場」と「兄弟姉妹」という言葉に反応したか、という理由を先に書いておきたい。

 

 

 

  それは「親馬鹿」という言葉に代表されるような「身内贔屓」というのは本当にあって……多分「普通の」?……親兄弟、時に親族ってのはお互いを「欲目」というフィルターで観ている事に全く気付いていないのだな、ということに「ヨシコさん」の言動と、その家族を通して気付かされた事にある。

 

 

 

 

 

  

  私は「ヨシコさん」の居る「支店」に転属になってから一年程で、本当に「諸事情」と言えることが見事に重なってそこを辞めた。

 

  「今思えば」……辞めなくても良かったというか頑張って働き続けても良かったな……と「その後」に起こった事等を振り返って思ったりもするが、そんな事は今回の話には関係ない。

 

 

 

 

  私がそこを辞めてから半年程で(同期入社の)友達も辞め、それから少しして「ヨシコさん」も辞めたという話を風の便りに聞いた。

 

 

  それからまた数年経った時。

 

  また偶然に「ヨシコさん」の妹、つまり私の親友だった人に「ばったり」という感じで再会し、折角だからお茶でも~、となって近況など話していた。

 

  そして何の拍子か「ヨシコさん」の話になり、それつながりでお互い「初就職」となったその職場の話になった。

 

 

 

  「あそこってさ、酷い職場だったよね~?

 

   おね~ちゃんなんて

 

   散々こき使われてさっ!」

 

 

 

   ……(+□+;)……!

 

 

 

 

 

   正直に言おう。

 

 

 

 

  飲んでいたコーヒーを吹き出す所だった。

 

 

 

  と言うか、親友が「その職場」と「ヨシコさん」の話題を出した時、私は正直内心で

 

 

 

  「あ~、ヤバいな~…」

 

  …と考えていた。

 

 

 

  考えていた。

 

  彼らは確かに仲の良い家族・仲の良い姉妹だったが、「社会」という中での「ヨシコさん」の評価はそれなりに「恥じて」いるだろう……と。

 

 

 

  だから逆に彼女が何か「ヨシコさん」の仕事振りを「ありのまま」に語ったとしたら、

 

 

  「まあ、彼女に合わなかったダケだよ」

 

  …という感じで「なぐさめ」くらいは言ってあげよう……と。

 

 

 

  ところが親友の口から出て来たのは職場への文句と愚痴、そしてそこで「自分の姉」がどれだけ苦労したか……という話ばかりだった。

 

 

 

 

  ……いや、そうじゃないんだよ。

 

 

  アナタ、「ヨシコさん」が職場で……「アノ」職場で、どんな態度で仕事をし、周りからどういう視線を送られ、人としてどういう評価をされていたか、という「事実」を……全く知らないのだね……?

 

 

 

 

  …なんて言葉は一切口に出さなかった。

 

 

  ただ、本当に『家庭内万能薬』(=家族内ではヒーロー&ヒロイン=社会では???)で育った人達=「身内贔屓」という色眼鏡は存在するのだな~、と思い知らされた瞬間だった……!