「ヨシコさん」の話 「身内贔屓」の歪みと冷静な「岡目八目」? ① | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

  少し前ではあるのですが、こちらの話。

 

 

   

  状況は全く違うのだけど、「職場」「兄弟姉妹」という言葉で思い出してしまった「昔話」。

 

  

 

 

  私が高校を卒業して初めて就職した会社は今で言う「バンケットルーム」なども複数持つ、地域では有名なレストランチェーンだった。

 

 

  同地域に幾つかの「支店」があり、そこに「サービス係」として毎年正規(?)の「新入社員」(今一瞬、「侵入社員」と変換された💦)が入ると最初の二週間程は「本社(=本店)勤務」で「お辞儀の仕方」から「皿の持ち方」「サーブの仕方」などを毎日朝から晩まで徹して教え込まれる。

  (その段階で根を上げて辞める子も複数居た)

 

 

 

  その後に各支店に配置が決まるのだが、日々の状況の変化で支店間でいきなり「移動」があるのが普通の会社だった。

 

  何より大きなイベントがある時には「応援」として良くて数日前、時に当日になっていきなり「出張」を言われることも日常茶飯事。

 

 

 給料も勤務時間も今で言う「ブラック」そのもの。

 

 

 特にイベントが多い「本店」やホールを持つ「支店」での働き方の「ブラック」加減は今なら「過労死レベル」と言えたかもしれないが、当時まだ古い考えの私としては何処でも通用する内容の「仕事を学んだ」という点では良かったかな……と今も考えている。

 

 

 

  そんな会社に入って一年が過ぎた頃。

 

  何と、当時の親友の年子の「お姉さん」……以後「ヨシコさん(仮名)」……が「新入社員」として入ることを、その親友からの連絡で知った。

 

 

 

  因みにその親友とはずっと「幼馴染」と言っても良い関係だったのだが、高校で別々の学校に進んでからは自然と疎遠になっていたので本当に思い掛けない「再会」だった。

 

  私と同じく高校を卒業して就職していた親友と違い「ヨシコさん」は短大に進んでいたのは知っていたのだが、私としては「まさか」という感覚しかなかった。

 

 

  と言うのも長い付き合いの中では当然お互いの家を行き来して来た訳で、その中で接して来た「ヨシコさん」の印象は「サービス業」、特に「料理関係」になど全く興味ない人だ……と思っていたからだった。

 

 

 

  何故そう思ったか?……というのは追々書いて行くが、彼女は私とは別の「支店」に配属された。

 

 

  そこには同じ高校から同時入社した友達が勤務していたし、私も何度か「応援」に行ったこともあって「内部」の話はそれなりに知ってはいた。

 

 

 

 

 

  その「ヨシコさん」が入社して半年程のこと。

 

  私に「転属」の辞令が来た。

   (全てが同じ市内なので「転勤」という感じがしない)

 

 

  そう、そこが友人が……と言うよりも「ヨシコさん」が働く「支店」だった……!