木を見て、森も見る。アナタの『視点』は何処? 3 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

   

   「…ねえ、『その言葉』、

 

   誰が、どういう状況で言ったの?」

 

 

 

 

 

 

   私がそう問い返すと、まさに唐突という感じで盛り上がっていた「輪」が一瞬で静まり返った。

 

 

 

 

    特に私の言葉が余程意外だったのだろう、『シロマダム』は「はあっ?」と言っただけで

 

 

 

   「何言い出すんだ、コノ女?」

 

 

   …と言いたげな顔を向けて来た。

 

 

 

 

 

    

 

    「『その話』ね、

 

 

     「お嫁さん自身が『家族みんなの前で』言った」

 

 

 

    …の?

    それとも

 

 

 

     「お嫁さんは『弟さんにだけに』言った」

 

 

    …の?」

 

 

 

 

 

     すると、何をアタリマエな事を言い出すんだ?という顔で『シロマダム』が答えた。

 

 

 

    「え~?

 

   『弟にだけ』言ったんだけどぉ?」

 

 

 

 

 

 

    …ああ「ヤッパリ」ね、とは思ったけれども

 

 

    「ふ~ん…」

 

    …とだけ答えた私。

 

 

 

 

    その反応が「また「」彼女には理解も納得も出来なかったのだろう。

 

 

 

    ふいに語気を強めた口調で

 

 

 

   「どういうことっ!?」

 

   …と聞いて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

    「いや、『私が弟さんなら』言わないな、と思ってね…」

 

 

 

   「はあっ?」

 

 

   まだ納得出来ない顔のままの『シロマダム』。

 

 

 

 

   「お嫁さんは弟さんに言っただけ、って事なんでしょう?

 

 

    それなら、私が弟さんだったら

 

    その場でお嫁さんに注意はするかも知れないけれど、

 

    わざわざみんなの前で言わないな~、

 

    と思ってね…。

 

    だって、その場のみんなが…」

 

 

 

   …不愉快な気持ちになるだけ、だもの……と言いかけた時、引き攣った笑顔を浮かべた『シロマダム』が大袈裟に手を振り、私の言葉を遮って叫んだ。

 

 

 

 

 

  「あ、あ、ああ、あのねえ、

 

  ウチのオトートってねえ、

 

  バ、バ、バカなのっ!

 

  バカ、バカ、バカ、馬鹿っ!!」

 

 

 

 

 

   …いや、アナタは一分前まで絶対、微塵もそんな事思っていなかったでしょ?……と突っ込んでも良かったが、それ以上私は何も言わなかった。

 

   その後彼女は直ぐ話題を変え、「輪」の母親達も直ぐそちらの話にノッていたのは覚えているが、その後&その日どうやって彼らと「解散」したのかも覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

    「みんなと一緒」に盛り上がれば良かった「ダケ」なんだよね……と今も思う。

 

 

     と同時に、昔多くの宗教家が結婚しなかったのは「禁欲」だナンダ以前に、貧富・性別・地位等の全てを超え、あらゆる人達に平等に接するべき人達が『身内贔屓』しないように、という意味だった、という説が真意に思えた出来事ではあった……かな?