「そ、そ、それにねえ!
今直ぐ申請して、半年後にでも『カード』が手に入ったら、
向こう(=今回の会社)だってまた採用してくれるかもしれないじゃないのっ!」
・・・( ̄_____ ̄)×2
あ~、このオバちゃん、心の底から馬鹿……というより真性の『世間知らず』なんだな、としか思えなかった。
と言うよりも、このヒトは本当に『職安』という現場の「コーチ」=相談員なんだろうか?……と。
あのねえ、アンタ達みたいに……という以前に特に『飲食業』ってのは、だけど、自分のせいで遅くなっても相手をただ待たせれば良かったり、急に休んでも他のヒマな誰かがやってくれたり、そのままにして置いて次の日にやれば良ればエエ……っていう職種じゃないんだよ?
そんなこと以前に、「普通の会社」ってのは『今』欲しいから人を募集しているんだよ?
まして、向こうは「一日でも早く」働いて欲しかったんだよ?
アンタ達がキチンと交渉してキチンと保証してくれるってなら信じでもエエだろうが、「普通の会社」が、手続きが面倒臭い、更にエエ年こいたバアさんの採用を半年以上も待ってくれる……と、本気で考えているの?
呆れてモノも言えない、とはこの事だな。
「心配しないで下さい、私の『自己責任』で決めたことですから」
傍目からも明らかに興奮し始めた『ラージ』の目から視線を外さず、表情も変えず、静かに私はそう言い返した。
その一言で火が付いたのか、『ラージ』は一層声を荒げ、滔々と話し出した。
「あ、あ、アナタねえっ!
『メッセージ』欄には、ああいう『文句』は書くものじゃないのよっ!
い、いいっ⁉
私達は毎日毎日、大量の人達の面倒を見てやっているのよっ!
("looking after Tons of people"と言っていた)
アナタ一人だけの世話してやっているワケじゃないのよっ!!
だから、
今回の責任は、全部アナタにあるのよっ!!
こっちには何の責任も無いのよっ!!!
(つまり自分ってのは何の責任も持てない人間だ、と自分で言っているのと同じだよね?)
だからあんな事、あそこに書くもんじゃないのよっ!!!」
…こんな話を一方的に、延々と喋り続けた。
音量こそ多少周囲を気にして低く抑えようとしているものの明らかに興奮し、目は見開き、体は小刻みに震え、特にその口元や指先は
「わなわな」
…という擬態語はこういう事の形容の為にあるのだな、と心から納得する程の様相だった。
もし私が「状況証拠」としてテープを回しを始めていたら憤死していたかもしれない…!
(しかし、「テープを回す」という表現そのものが古いですよね~?)