「みらい」創設前から個人で保護活動を続けていたメンバーが、シナリオという形で自らの活動の様子を物語にしたものです。
題して『函館ワンニャン物語』


全部実際にあったことですので、ぜひ皆さまにも読んで知っていただきたく、こちらでご紹介させていただきます。
動物を飼うこと、保護することに対する自身の心構えを、あらためて考えさせられる内容でした。
この物語が皆さまの心に届き、動物保護の輪がさらに広がることを祈って。
お時間がある時にでも、ぜひお付き合い下さい
m(__)m
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『函館ワンニャン物語』
《登場人物》
館岡 洋一 (五十五歳)教師
*幼い頃から捨て犬、猫を保護し、育ててきた
心優しき男。
館岡 聖子 (五十四歳)その妻
*動物愛護に情熱を燃やす、心優しき女性
館岡 咲(二十五歳)二女
*動物を愛する心優しき女性
アニマルレスキュー代表
*自分の財産を投げ打ち、保健所で処分寸前の
犬、猫の命を助ける活動に取り組む信念の
強い女性
《あらすじ》
平成二十一年、全国で最も魅力的な市区町村で函館市がナンバーワンに輝いた。異国情緒あふれる街「函館」、その風景・歴史的建造物はもちろんのことだが、真の理由はそこに住む人にあった。
おせっかい好きの、人情味あふれる優しき町、函館。
その街の片隅に、人だけではなく、動物にも献身的な「おせっかい」を降り注ぐ家族がいた。
館岡洋一は、子供の頃から捨てられた犬や猫を黙って見てられない性格だ。拾ってきては叱られ、拾ってきては叱られ、その繰り返しの中、「自分が大人になったら・・」と、子供心に誓う。
社会人になった洋一は、教職の道を選ぶ。やがて、聖子と結婚する。聖子もまた、動物に対する深い愛情を持つ女性であった。
結婚して三十二年目、現在、館岡家では、犬を五頭、猫を四十三匹飼っている。そのほとんどが捨てられた犬や猫であり、保健所で殺処分寸前に助けた命である。館岡家には心温まる「四十八のドラマ」があった。
「動物を飼うことは、自分の命を削ること」誰かがこう言った。
正に、館岡家は全財産と全エネルギーを費やし、保護活動に取り組んでいた。
平成二十三年三月十一日、東北地方を未曾有の大地震が襲う。その影響は、函館にも及んだ。津波の影響で、震災が襲う。
目の前で、海の水がはるか沖まで引いていく。見えるはずがない海の底が見えている。
洋一と聖子は、決断を迫られる。
「四十八の命をどう守るのか。」
そして、この緊迫した状況の中で、二人が取った行動とは・・・。
「動物の命は平等だけど、その一生は出会った人で決まる」
究極の動物愛が、そこにあった。
※次回からは本編を何回かに分けて掲載させていただきます。