風営法に関する質問主意書と答弁を踏まえて、再質問主意書を提出しておりましたが、今日の閣議決定を経て答弁書が返ってきました。そのまま載せておきます。

 

 あまり中身には入りませんが、正直なところ、「想像していた答弁と違っていたので驚いた。」、「役所の答弁はかなりキツそう。」という感想だけ述べさせていただきます。先の質問主意書よりも、私的にはこちらの方が更に画期的な感じがします。あとはもう少し色々と検討してみたいと思います。

 

【質問】

衆議院議員緒方林太郎君提出風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問に対する答弁書に関し、次の通り質問する。

 

一 答弁書の「二及び三について」において、「風営法第二条第一項第四号の「射幸心」とは、偶然に財産的利益を得ようとする欲心をいう。」とある。

(ア)「財産的利益」という用語が使われている法令は存在せず、過去の主意書答弁でもほとんど使われていないところ、何を指すのか。現金や金(きん)は含まれるか。

(イ)「財産的利益」とは、例えば、競馬法、自転車競技法、小型自動車競走法、モーターボート競走法、スポーツ振興投票の実施等に関する法律に規定のある「財産上の利益」とは異なる概念か。異なる場合、その違いは何か。

(ウ)「欲心」という用語が使われている法令は存在せず、過去の主意書答弁でも使われていないところ、何を指すのか。

 

二 答弁書の「四及び五について」において、「すなわち、「射幸心を助長」するまでに至らないものであっても、「射幸心をそそるおそれのある」ものに該当し得ると考えられる。」とある。この答弁の中にある「射幸心」とは、いずれも風営法第二条第一項第四号の「射幸心」を指しているか。

 

三 答弁書の「七について」において、「ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。」とある。これは以下のいずれを意味しているか。

(ア)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」ではない。

(イ)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」であるが、同条の「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」ものである。

(ウ)ぱちんこは、刑法第三十五条における「正当行為」に当たり、これにより同法第百八十五条に規定される「賭博」の違法性が阻却されている。

 

四 答弁書の「六について」及び「七について」に関し、客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却した結果、風営法に基づく必要な規制の範囲を逸脱し、それが刑法第百八十五条に規定する罪に該当する事はあり得るか。ある場合、どのような状況下でそれが起こるかを答弁ありたい。

 

右質問する。

 

【答弁】

一について

先の答弁書(平成二十八年十一月十八日内閣衆質一九二第一二三号。以下「前回答弁書」という。)二及び三についてでお答えした「財産的利益」とは、経済的価値のある利得を意味する一般的な用語であり、この「財産的利益」は、御指摘の「現金や金(きん)」を含むものであると考えており、お尋ねの競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)等の「財産上の利益」と同様の内容であると考えている。また、前回答弁書二及び三についてでお答えした「欲心」については、一般的に、「ほしがる心。むさぼる心。欲念。(出典広辞苑)」を意味しているものと承知している。

 

二について

前回答弁書四及び五についてでお答えした「射幸心を助長」の「射幸心」は一般的な用語として用いたものであり、「射幸心をそそるおそれのある」の「射幸心」は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号。以下「風営法」という。)第二条第一項第四号の「射幸心」を指すものであるが、両者は同様の内容であると考えている。

 

三について

風営法の規制の範囲内で行われるぱちんこ屋については、関係法令の規定に基づいて適切に行われるものであって、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

 

四について
ぱちんこ屋の営業者以外の第三者が、ぱちんこ屋の営業者がその営業に関し客に提供した賞品を買い取ることは、直ちに風営法第二十三条第一項第二号違反となるものではないと考えている。もっとも、当該第三者が当該営業者と実質的に同一であると認められる場合には、同号違反となるほか、刑法第百八十五条に規定する罪に当たることがあると考えている。