2015年は軽減税率について、大きく議論されることになるでしょう。軽減税率の先輩であるフランスでの税率について、最新情報がアップされていたので、あまり論評せずに出来るだけ中立的な立場から訳出します。意訳(や間違い)がかなりありますので、そこは寛恕の程をお願いいたします。

 まず、①フランス本土、②コルシカ、③グアドループ・マルティニーク・レユニオン(海外県)で税率が全く異なります。基礎的な税率は、それぞれ20、20、8.5です(以下%は省略します)。

● 大多数の物品、サービス 20 20 8.5
● いわゆるエロ本、暴力系の刊行物 20 20 8.5
● 乗馬場 20 20 8.5
● 酒類(その場で飲むもの) 20 10 8.5
● 酒類(持ち帰り、配達用) 20 20 8.5
● レストラン、調理済み食料 10 or 5.5 2.1 or 10 2.1
● 非酒類飲料、水(後日消費するもの) 5.5、2.1、2.1
● 非酒類飲料、水(その場で消費するもの) 10 10 2.1
● ホテル、家具付きホテル、キャンプ場 10 2.1 or 10 2.1
● 旅行者の輸送 10 2.1 2.1
(コルシカと本土の輸送、海外県内の海上輸送は全額免除)
● 家屋のリフォーム 5.5 or 10 5.5 or 10 2.1
● 人間の食用でない未加工の農産品、海産品 10 2.1 2.1
● オリジナルの芸術作品の売却、著作権料の譲渡 10 10 2.1
● 動物園、美術館等の文化的施設への入場料 10 2.1 2.1
● 食料品 5.5 2.1 2.1
● 特殊な食料品(菓子類、植物油を使ったもの、チョコレート、チョコレート又はカカオを含む食料品) 20 20 8.5
● 生チョコレート、家庭用ミルクチョコレート(?)、チョコレート・ボンボン、カカオ豆、カカオ油 5.5 2.1 2.1
● 障害者・高齢者等への機器、サービス 5.5 5.5 2.1
● ガス、電気配送の契約 5.5 2.1 2.1
● 学校の食堂 5.5 2.1 2.1
● 本 5.5 2.1 2.1
● 演劇、映画のチケット 5.5 or 2.1 2.1 or 0.9 2.1 or 1.05
● スポーツ観戦チケット 5.5 2.1 2.1
● 社会保障負担分の医薬品 2.1 2.1 2.1
● 男性用、女性用コンドーム 5.5 5.5 2.1
● 社会保障非負担分の医薬品 10 10 2.1
● 非課税者に販売される肉、ソーセージ等用生き物 2.1 0.9 1.75
● テレビ受信料 2.1 2.1 2.1
● 報道機関による定期刊行物の組版、印刷や情報の転送 10 10 2.1
● 自費出版でない刊行物(ネット上のものを含む) 2.1 2.1 1.05

・ 調理済み食料、非酒類飲料については、その場で消費するもの(保存できないもの)については10%、保存できる包装と共に販売されるものは5.5%の軽減税率が適用される。
・ レユニオン島では、コメの販売は免税。
・ 財政自主権を享受する仏領ポリネシアでは、通常税率が16%、中間税率が13%、軽減税率が5%となる。
・ サンピエール・ミクロン島、ウォリス・フツナ、仏領ギアナ、サン・マルタン島、サン・バルテルミー島、マイヨット島、ニュー・カレドニアについては、付加価値税は適用されない。

 それにしても、品目の選び方にフランスらしさが出ていますね。チョコレートや文化への拘りには我々とはちょっと違う何かを感じます。

 これを見た方がどうお感じになるか、各位によって異なるでしょう。最後に私の感想を分かりやすく書くと、「これをやってしまうと、デパ地下は大変だよな。」ということになります。