兵庫県議会議員の政務活動費の関係で、あまり指摘されないことがあります。
それは「実際に報告書や領収書の写しを見た人が殆どいない。」ということです。ココ にある通り、閲覧したかったら、平日に神戸市内の兵庫県議会まで行かなくてはなりません。ちょっと一般の方が見に行くのは骨が折れます。仮に兵庫県の丹波や豊岡(日本海側)あたりの方が見たいと思っても、事実上無理です。
それは、政務活動費、資産公開、政治団体の収支報告書、すべてがそうです。認められているのは「(足を運んでの)閲覧」だけなのです。例外的にウェブ公開があるのは、総務省届けの政治団体の収支報告書くらいでしょう。各都道府県レベルでウェブ上での公開を定めているところは殆どないと思います。
多分、今回のようなことが起こる背景には「どうせ多くの人が見ることはない」という漠然とした判断があるからのはずです。こういうものは、情報公開の圧力が普通に掛かれば、自ずと一定程度は正されていくものです。報告書のみならず、領収書の写しまで「ウェブでの」公開対象にすれば更に圧力は増します。
なお、これを言うと「国会議員の文書通信費(月100万円)はどうなんだ?」と言われます。あれは「ザル」の最たるもので、歳費と同じ口座に入ってくるので、個人財産形成にすら使い得るものです。実際、あれを貯め込んでいた議員を知らないわけではありません。
現職時代、私は「最低限の情報公開くらいはしよう」と思い、文書通信費はすべて自分の政治団体に個人寄付をしていました。なので、使途は私の政治団体の収支報告書を通じて、ある程度は分かるようにしています(ただ、全体の中に紛れ込んでいるので、何をどう使ったかまでを切り分けることは出来ません。)。それが十分でないことは分かっていますが、現行制度の中で出来うる事はここまでです。しかも、上記のように、私の政治団体の報告書も福岡県庁まで行かないと見られません。
多分、政治団体の収支報告書、政務活動費、資産公開等を領収書までウェブで情報公開すれば、日本の政治とカネの問題はかなり改善するでしょう。裏から見れば、今は「どうせ都道府県庁まで来ないと見られないのだから、大して見られることもなかろう。」とたかを括ることが出来るということです。