センター試験の季節になりました。朝、黒崎駅前で街頭演説をしていると、通っていく受験生の方の顔も少しずつ変わってきています。


 大学に入ると、第二外国語を取らされます。私はドイツ語を選択しました。特段の理由はなかったのですが、よく分かららないままに、何となくドイツ語を選択しました。私の時は、フランス語が一番人気で、ドイツ語が二番目、中国語、ロシア語、スペイン語というのはマイナーな扱いでした。


 今は学生の選好が変わっているようです。外務省に入ってからフランス語を学び、そこそこ出来るようになった身からすると、フランス語が出来ることで得をすることは、直接的には日本にいる限りあまりありません。欧州、アフリカやマグレブ諸国に関心があるのであれば、とても役に立つとは思います。あと、フレンチ・レストランでウンチクを垂れる(妻から嫌われている)能力が身に付きました。


 あえて言えば、フランス語と英語が出来るようになると相乗効果が高いということはあります。欧州の言語はラテン語起源のものが多いので、2つ出来るようになると3つ目はより簡単になります。私について言えば、イタリア語の新聞は記事によっては3-4割は何となく理解できます。ただ、それは第二外国語で学ぶくらいでは実感できません。


(ちなみに、大学受験のフランス語というのは英語に比べて数倍簡単です。東大入試のフランス語なんてのは、英語にすると高校1年レベルです。英語で苦しむくらいなら、フランス語で受ける方が遥かに労が少ないです(センター試験も同じです。)。意外に大学受験の穴場だとは思います。ただ、始めるきっかけが難しいですけど。)


 これから第二外国語として学んでおいた方が良いと思うのは、ハングルとか中国語でしょうね。実際、中国語人気が大学で上がっているようです。それが自然の流れだと思います。


 ただ、そもそも思うのですけど、大学教育において、第二外国語を必修で学ぶことを本当に求めなくてはならないのかと疑問になります。大半の方にとっては、第二外国語は「モノ」になりません。私は第二外国語で履修したにも関わらず、今、殆どドイツ語を理解しません。「モノ」にならないものを無理して履修させること自体が不毛だと思うのです。勿論、履修をきっかけに第二外国語を深めていこうとする方がいるとは思いますが、それは必修でなくてもいいように思うのです。


 であれば、もっと英語に力を入れて、使える英語を養っていく方が大学生の時間の使い方としては有効でしょう。なんだかんだ言って、英語は世界共通言語的なところがあります。その流れは少なくとも、今後100年くらいは不変でしょう。であれば、中高教育の中である程度の素養があり、かつ「モノ」になりやすいものに注力すべきだと私は思います。


 何となく、過去からの流れで「大学に入ったら第二外国語がある」というのは、一度立ち止まって考えるべきでしょう。「第一」が出来ないのに、「第二」があるはずがないのです。