最近、ちょっと驚いたのが、何名かの地方自治体議員の方からこのエントリー について「タメになった」と言われたことです。と言っても内容ではなく、質問の手法についてです。昔、役所にいて各省協議をする際の手法をそのまま書いただけなのです。あまりエラそうになってはいけませんけども、大体、私は以下のような発想でいます。


 基本的な発想は「逃げ道を塞ぐ」ということです。「なんだ、たったそれだけか」と思われるでしょう。しかし、徹底的に逃げ道を塞ぐように誘導していくのは結構論理立てが必要です。そのストーリー作りさえ成功すれば、後はそのために逃げ道を塞いでいくためのツールを探すことになります。


 私は法文官僚だったせいもあり、ともかく公開されている情報からちょこちょこつまみながら逃げ道塞ぎのツールを探します。一番のツールは法令です。これは誰もが反駁できないものですから、法令(や条例)を見ながら、その中で使えそうなものを探します。次に使うのが、関係する団体、個人の公開情報です。例えば、「ウェブサイトにこう書いてある」といったようなものです。今はグーグル等が充実しているので、キーワードの入れ方さえ上手くやれば欲しい情報は比較的すぐに出てきます。


 そして、議会等で質問する際は、「相手がどう答えるか」をある程度把握して、二の矢、三の矢を準備しておくのがいいです。一番手っ取り早いのは、自分で結論をある程度言って「この理解でいいか」と聞いて、どんどん答弁者に「その通りです」と言わせていくことです。ストーリーを作ることができれば、そこに向かっていくためには相手の答弁をどんどん引き出さなくてはいけませんが、相手が自分のストーリー通りに発言してくれるかは分かりません。質問者からすると「脱線」みたいな答弁もあるでしょう。であれば、自分で結論を言って、それに対して「はい」とだけ言わせるようにするわけです。


 どんどん、答弁者に「はい」を言わせながら、その「はい」を繋ぎ合わせれば、最後に目指すところでも嫌々ながら「はい」を言わざるを得ない、そういうふうに持っていく、これが難しいのですけども、私は質問する時はそういう発想でやっていました。ただ、与党だったので最後の最後まで詰めるのは控えていました。


 ただ、このブログを始めた7年前くらいにこういうエントリー を書きましたけども、私生活でこれをやってはいけません(もう、よく覚えていませんが、多分役所を辞めてから短かったので、上記のような手法で詰め将棋的アプローチをやってしまったのだろうと思います。)。絶対に人間関係を害します。詰め詰めなやり取りはTPOをきちんと弁えてやるべきものです。