3年3ヶ月、ずっと与党議員として政権を間近で見ていました。色々と思うことがあったのですが、あえて書くのを控えてきたこともたくさんあります。落選したので少し自由に書いてみたいと思います。


● 手順・プロセスをもっと大事にすべき
 これは当選直後から最後まで感じ続けた点です。「正しいことは常に受け入れられる」という前提からスタートして、「どうやったらこの政策を実現できるか」という仕掛けが全くないということがかなりありました。「場」と「手順」をきちんと整えないと、どんなに正しいことも実現しません。逆に言うと、場と手順が決まれば中身は勝手に付いてきます。最後に強引に押し切ることがあるのはその通りなのですが、最初から強引に押し切ろうとする姿を何度も見ました。あくまでも一般論ですが、「自分は頭が良い」と思っている方ほどこの傾向が強かったように思います。


● 人事が万事
 期数順送り、グループ間のバランス人事、野党時代に批判していた人事を忠実にやっているのを見て、バカバカしくなったことは一度や二度ではありません。私個人の経験でも、特別会計仕分けで対面した政務三役、国会の質疑で答弁に立った政務三役、とても残念な方がいました。3年3ヶ月の中で国務大臣を経験した方が何人いたでしょうか(たしか70人近かったはず)。あんなに国務大臣経験者を生みだしてどうするんだろうと今でも不思議でなりません。


● お役所との接し方はナチュラルに
 単刀直入に言うと「官僚にコンプレックスを持っている人、多過ぎ」ということです。背景には色々なものがあるように感じました。そして、コンプレックスがある時、どういう対応が一般的かというと「不必要に居丈高に出る」ということになります。誰だって居丈高に出られると、面従腹背になります。そして、物事が進まなくなります。「もうちょっとお役所とナチュラルに付き合えばいいのにね。」とよく思いました。


● 政治主導の意味とは
 役所と知識の積み上げで競い合ってはダメです。どんなに優秀な政治家でも絶対に勝てません。役所の事をよく知っている私が言うのですから間違いありません。役所とよく議論して、「こういう事がしたい。やり方は任せる。案を1週間後に持ってきてほしい。」というくらいがベストです。これについては、かなり上手くやっておられた方を知っていますが、逆に全然ダメな方もたくさん見ました。チマチマ細部に入るのは政務三役の仕事ではありません。


 まあ、こんなふうに私には見えました。ただ、落選した人間が書くとただの泣き事にしか響かないでしょうから、この手のエントリーは一回限りにしたいと思います。