蘇岩礁という存在を知っておられる方はとても少ないと思います。韓国が「島」だと主張している場所です。韓国では離於島と呼んでいます。ウィキペディアの記述を見られるといいと思います(ココ )。どんな存在かというのは、ここ で大体の雰囲気を感じ取ってください。
日本の排他的経済水域と面しているわけではないので、直接日本はあまり関係がなく、むしろ中国の排他的経済水域と面していて、いわば係争対象になっています。
この蘇岩礁、実は干潮時にも水面から5m弱下に沈んだ状態です。国連海洋法条約の島の要件は満潮時にどうなっているかが基準です。そもそも、島かどうか以前の問題として、領土ですらありません。したがって、12カイリの領海も存在することがあり得ない存在です。ただ、韓国はこの蘇岩礁の上に巨大な海洋基地を設けて、あれこれやっているようです。
【国連海洋法条約第121条(島の制度)】
1. 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。
(以下略)
しかし、韓国はこれを島だと言い張っています。そして、中国との間で蘇岩礁をベースとした排他的経済水域の設定を行おうとして係争が生じているということです。そもそも、領土ですらないものには領海や排他的経済水域の基点も存在しないわけでして、国際的にどの国も韓国の支持をしないでしょう。私に言わせると、こんな変な主張をしている国が沖ノ鳥島の話でガチャガチャ言ってくるというのは笑止千万です。
私はこの件では中国のサポートをしてあげてもいいのではないかと思っています。道理を尽くしているだけですから、日中の海洋協議あたりで「国連海洋法条約上、満潮時に水面上にあるものだけが島として認められる」ことを両国で確認する作業だけでもやってあげればいいと思います。この程度のことが貸し借りの帳面消しや中韓分断になるのであれば安いものです(日本に借りなどない、との主張があることは承知をしていますが。)。
それにしても、この主張はひどいですね。アプリオリに韓国がどうだというつもりはないのですけども、この厚顔無恥ぶりはさすがに頂けません。