債務削減については、色々な議員が問題意識を持っていました。あくまでも一般論として、共和党系の方が債務に対して厳しい姿勢を取っている感じでしたが、ある議員が「オバマ政権になって債務が跳ね上がった。あいつらはダメだ。」みたいな論調で話しているのを聞いた時は、さすがに「いや、多分、ブッシュの時に軍事予算を中心に無茶苦茶財政が拡大したせいでその尻拭きが大変なんだと思うけどな。」と感じましたけどね。ただ、オバマの社会保障関係改革が新聞や報道で「European Socialist Style」と形容されているのを見ると、民主党政権による無駄遣いというのはああいうのを指して言っているのかなとも思いました。


 ある議員の地元用パンフレットで「債務が増えていけば結果として財政が圧迫されて、結果として雇用が失われるのだ。」という訴えをしている共和党連邦議会議員にお会いした時には、「正論を展開する勇気のある人だ。」と感心しました。「一般的に債務削減は選挙民には総論としては評判が良いが、具体論に入ると評判が悪いことが多い。こんなことをパンフに書いて大丈夫か?」と聞いたら、「そうなんだ。ただ、評判が悪くても言わなきゃいかんことは言わなきゃな。」とこれまた正論が返ってきました。


 日本でも、アメリカでもこの債務削減は「総論賛成、各論反対」なんだなあということを感じました。皆、債務が減っていくことを否定する人はいません。それが財政に重く圧し掛かって、財政の機動性を失わせしめることへの危機感は誰もが共有しています。しかし、その具体論になると、共和党内でも軍事予算を削るのに大反対の勢力はいますし、なかなか具体的ではありません。