12月1日に憲法審査会で発言の機会を頂きました。会派内の打ち合わせで「誰か発言したい人」と言われて、手を挙げたのが山尾議員と私だったということだけでして、普段から思っていることをそのまま述べました。憲法審査会は普段の委員会よりも雰囲気が重い感じがしています。


 私が言いたかったことというのは実はこういうこと なのですが、議事録を見る限りは上手くプレゼンできてないなと反省します。


○緒方委員 民主党の緒方林太郎でございます。
 貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず最初に、私、憲法を改正すべきという考え方、そして、現在の手続のもとでしっかりと、着々と進めていくべきだというところを一番最初に述べさせていただきまして、憲法改正のあり方について一言述べさせていただきます。
 九十六条を改正することによって憲法の改正のハードルを下げようじゃないか、まず九十六条の改正からだという御意見がございます。この考え方というのは、もっと根本的なところをたどれば、そもそも憲法というものをもう全く新しいものに、全く今と違うものに全部改正してしまうことができるかどうか、そういった議論を惹起すると私は思います。
 フランス憲法におきましては、共和政体はこれを改正すべからずということが明確に書かれています。私が思うのは、今の憲法の中で何を改正できて、できないのかということも、これは真摯に考えるべきだというふうに思います。
 九十六条を改正して、そして憲法を改正するということというのは、ともすれば、すべてを可能にするようなことであって、今の憲法の骨格自体を完全に変えてしまうということにつながるのではないかという懸念を持つものでございます。
 九十六条改正というのは、恐らく現行憲法の不可分の一体をなす部分でありまして、ここの改正についてはやはり慎重であるべきではないかということを一言申し上げさせていただきます。
 次に、非常事態について盛り込むべきだというお話がございました。
 非常事態について何らかのことを盛り込むということについては決して反対をするものではありませんが、一点気にとめておかなくてはいけないのは、ドイツのワイマール体制が崩れたのは、最後は、当時ヒトラーが政権につく前のヒンデンブルグ大統領が非常事態の濫用を図り、そして議会に対するアンチ議会のような雰囲気がドイツ国内に漂い、それがワイマール憲法の体制の崩壊につながったということについては、我々はやはりしっかりとした思いを持つべきだというふうに思います。
 そしてもう一つ、衆議院と参議院という二つの院がある、これは二院制をとっている我が国として憲法にも書かれていることでありますが、私が非常に日本の議論の中で違和感を持つものの中に、衆議院においても参議院においても一票の格差が議論をされるということというのは、これは私はおかしいことであるというふうに思います。
 衆議院で二倍、参議院で五倍という議論がありますが、そもそもこれは、私は、憲法に少し漏れ落ちているところがあるのではないかと思うのは、それぞれの院は何を代表しているのかということが憲法に書かれていない。
 そして、例えばフランスですけれども、フランスの下院は、これは人民、ピープルを代表するというふうに概念され、そして上院については、これは領土を代表するというふうに観念されております。
 アメリカにおいても、下院においては明確な人口割で議員が定められ、そして上院においては州を代表するということで、人口四千万人のカリフォルニア州と人口五十万人の八十倍の差があるワイオミング州との間に同じ二人の上院議員が割り当てられているわけでありますが、この件について、アメリカにおいて一票の格差があるというような議論がなされることは、これはない。
 これはなぜかというと、何を代表しているかということがはっきりと明確になっているからでありまして、今後、二院制をとるのか一院制をとるのかという議論はあると思いますけれども、この議論の中においては、衆議院、参議院、それぞれが何を代表しているのかということについて、我々は考えなくてはいけないと思います。
 最後に一つだけ、憲法裁判所について、これも、ここに、非常に導入すべきだという意見が多かったということがあります。
 フランスには憲法院があります。そして、憲法院に法律を付託する。法律を国会で採択して、そして、それを公布するまでの間に憲法院に付託することができるというふうになっておりますが、これは議員六十名の発議によって憲法院に付託をすることができる。
 これ自体は一つの制度のあり方としてあってもいいのかなと思いますが、私が懸念するのは、これが日本の国対政治の中において、事実上法律をつくる際のもう一つハードルを設け、もう何か与党で通したものがどんどん憲法裁判所に送られ、法律の制定手続がとまるというようなことというのは、これは憲法裁判所、憲法院をつくる際においても十分留意されるべきだというふうに思います。
 以上です。


 それにしても、私がこれで国会の議事録に残る質問、発言をしたのが8回になります。これを多いと取るか、少ないと取るかは判断が分かれますけど、多分一期生の中では平均的なところでしょう。もう少しチャンスが欲しいな、とは思います。恐らく一期生で一番質問回数の多い、みんなの党の柿澤議員は既に184回でした。まあ、そこまでやりたいかと言われると、そうでもありませんが、2年強で8回はいかにも少ないですよね。