今日のエントリーは理論的でも、説得的でもありません。単に一期生の議員がこういうふうに思っているということの披露です。


 「衆議院の選挙制度を中選挙区に戻すべき」という議論があります。小選挙区になったせいで議員が小粒になった、中選挙区時代は全体の20%くらいの支持で当選できていたのだが、今は過半数を目指さなくてはならなくなり、政治家が八方美人になりすぎている・・・、まあ、色々なご指摘があります。どの指摘も「そうかもしれんが、そうでないかもしれん」くらいの感覚です。小選挙区が導入された1996年以前と以降で、国会議員の資質にそれ程大きな変化があったのかどうかは各自のご判断だと思います。選挙制度によって政治家の資質が変わったというより、世の中が政治家に求めるものとして透明性とかクリーンさといったものの比率が高まったことの方が大きな要素ではないかという気がします(けれども、それは個々の方の判断ですので、私が正しいというつもりはありません。)。


 中選挙区に戻るとすると、私の選挙区とお隣の8区又は10区が一緒になるような感じでしょう(地図はココ )。なお、中選挙区時代は8区と9区で旧福岡2区を構成していました。8区ですと選挙区の広さは4倍くらいでしょうし、10区ですと2.3倍くらいになります。私の選挙区は大体200平方㎞くらいでして全国的には狭いです。福岡県の中では2区、1区の次に狭いです。しかも、八幡西区と東区には人間がほぼ居住していない山林があるため、実際に体感する面積はもっと狭い感じがします。


 これが例えば数倍の面積になったとした時に一番最初に思うことは「カネかかるだろうなぁ」ということです。上手く説明できないのですけども、広くなればなるだけ、それに伴う支出が生じてしまいます。例えば、福岡8区と一緒になると仮定すると、多分、飯塚市あたりに事務所を設ける必要が出てくるはずです。移動も大変になります。


 結果として政治資金をもっと必要とするようになるでしょう。私はカネのかからない政治活動に努めていますが、それでも今の自分の国政での活動を少しカットして、寄付のお願いやパーティー券のお願いをして回ることが必要になるはずです。それが求められることなのであれば、勿論致し方ないわけですが、そもそもの問題として中選挙区であれば、私は外務省を辞めて国政にチャレンジすることが困難だったと思います。小選挙区には、あまりお金を持っていない人でも挑戦しやすいという側面があるということはご理解いただきたいところです。


 とはいえ、現在でも広大な選挙区で頑張っている同期がいますから、私はただ泣き言を言っているだけなのかもしれません。北海道が広いのは言うまでもありませんけど、本州、四国、九州でも非常に広い選挙区があります。岩手二区、秋田三区、福島四区、岐阜四区、島根二区、宮崎二区といった選挙区は我が福岡県に匹敵するか、それを遙かに上回る広さです。同僚の畑議員の岩手二区が本州で一番大きな選挙区でして7700平方㎞程度ですから、私の選挙区の40倍近いですね。どうやって、そのエリアをカバーしているのか、そのご苦労には日々頭が下がるばかりです。また、離島を選挙区とする議員の移動のご苦労も端でひしひしと感じます。


 特に何の結論があるわけではありません。小選挙区にも、中選挙区にも良いところがあると思うけども、小選挙区に馴染んだ身からすると、中選挙区は色々な意味できつくなるところがある。特に金銭的には相当な負担増になるであろう、ということです。一期生の泣き言とでも笑い飛ばしてやってください。