次の総理を決めるプロセスが実質的に始まっています。前回、私はあまり立場を明確にしない姿勢でしたが、今回は代表選までの間にはある程度明らかにしていきたいと思っています。国家の将来を担う観点から、中長期的に日本をどうしていくのかということも自分なりに考えていきます。


 まあ、色々な事が思い浮かびますが、恐らく今回の代表選の主たるテーマとしては浮上してこないであろう外交について一言書いておきます(「浮上してこない」ということを是としているわけではなく、現在のマスコミ報道等を見る時、あまり出てきていないという事実を書いただけです。)。


 最近、総理が大きな外交ヴィジョンを打ち出すことが減ったなあという感があります。橋本総理のユーラシア外交、麻生総理の「自由と平和の弧」みたいなものをイメージしていただければいいと思います。橋本総理の場合はロシアを意識したものであり、麻生総理の場合は中国を影の主役としたヴィジョンだったように思います。それぞれのヴィジョンについては、私なりに意見を持っていますが、それはともかくとしてこういう大きなヴィジョンを打ち出すのはとても良いことだと思います。


 雑な言い方をお許しいただけるのであれば、テーマは何でもいいのです。次の総理が関心を持つ分野について、大きな価値観をバーンと打ち出すことが日本にとって重要だと思うのです。そして、それを上手く国内外でアピールする舞台作りも含めてやっていくべきです。


 パッと思い付くものでも、例えば「海洋国家としての日本」といったテーマなんていいですよね(私が海洋関係に思いが深いからなのかもしれませんが)。他にも、特定の国を意識しつつも、それを上手くグローバルなレトリックでコーティングして打ち出すのでもいいです。対中国のバランサーとしてのインドを強烈に意識したスピーチだったり、アジア・太平洋全体を包含する価値観を打ち出すことでもいいです。


 ともかく、最近、日本から外交で大きな打ち出しが少ないのはよくありません。政治全体が内向き感が出ているように、永田町の中に居て思います。このあたりは新総理の補佐官、秘書官クラスがきちんと意識を持って、舞台のセッティング、スピーチの内容精査をやるべきでしょう。


 チャンスがあったら、色々な候補に言ってみようと思います。