今日は母校東筑高校の文化祭に行ってきました。私が在学中の頃に比べて、非常に華やかで元気のある文化祭でした。お会いした恩師からは「そもそも、おまえは文化祭の時は柔道部の部室で寝てただろう」と(きっとあまり根拠のない)指摘がありました。


 文化祭で貰った資料の中に、最近の進学動向というのがありました。その内容についてあれこれ言うことはあまりしませんが、一つ、とても気になったのが「東京の大学に行く生徒が減ったなあ」ということです。国公立では1ケタ、私立でも40強といったところでした。20年前の私の時代はもっと多かったと思います。


 別に東京がすべてに優るなんてことは全然思いませんけど、色々な意味でチャレンジのある場所だと思うのですね。私の大学選択の結構大きな動機の一つに「俺ら、東京さ行ぐだ」という思いがありました。そういう得体のしれないエネルギーが最も集約するのが東京だということは間違いないでしょう。そして、私の高校時代はそういう「得体のしれないエネルギー」が溢れていたような気がします(単なる美しきノスタルジアかもしれませんが)。


 「収入の問題がある」、たしかに分かります。ただ、これはある程度クリアー可能です。大学入学当時、自分が日本で一番親の平均年収の高い大学に居り、その金額が1100万円くらいだったことを知り、遥かにそこに満たない家庭の倅としてこの曲の題 のような気持ちになったものです。自分の経験から「金銭的な事は色々とやり方があるんだけどなあ」と思います。


 それよりも何よりも、何処かに「内向きなもの」を感じたのが私の危機感の根底にあります。未知の世界にわざわざ出ていかなくても、というのはとても分かりますけども、これからの世の中は否が応でも未知の世界に巻き込まれていくのですから、若い可能性のあるうちに飛び出してほしいと思います。


 これは別に自分の母校の話だけではありません。日本社会全体に蔓延している雰囲気を、この北九州という地方の中でも感じているだけなのでしょう。常にベクトルを外に向け、そして、できるだけスカラーは大きく、後はいかようにもしてやる、そんなふうになっていくんだぞ、と願いながら、久方ぶりの母校の門を出ました。