ある方から、子宮頸がんワクチンの中でも有効性が高いと言われる「サーバリックス」について、①効果がない、②不妊効果があるといった指摘がありました。今後、国が助成する形で子宮頸がんワクチンの接種を促していく政策がとられているため、私としても問題を持ち、関係者に事情聴取をしました。私はこの分野に特別な知見がないため、もしかしたら勘違い等もあるかもしれませんが、政府側の意見として紹介させていただきます。


(子宮頸がんワクチンの効果)
● サーバリックスを開発したグラクソスミスクライン社の資料を見る限り、治験では効果を上げている。勿論、すべての患者に効果があるとまでは言わないが有意な正の相関性はあることは分かってもらえると思う。国内の臨床成績では、持続感染に対する有効性(プロトコール準拠によるコホート)では100%の有効性、海外の臨床成績でも組織病変に対する有効性でも100%の有効性、持続感染に対する有効性(総ワクチン接種コホート)でも70%を大きく超える有効性が証明されている。

● サーバリックスはHPV-16型と18型にのみ効果がある。ただし、世界的にはHPV-16型と18型で子宮頸ガンの7割を占める。そういう意味で、サーバリックスが効かない子宮頸ガンがあることは事実だが、それはサーバリックスの効果がないということではない。
● サーバリックスが不妊と関係しているという事実はない。動物の不妊治療に使われているのではという指摘については、グラクソスミスクライン社に確認したがそういう使途はないとのことだった。不妊の問題を訴えている団体のサイトを見ると「スクアレン」というアジュバント(免疫増強剤)の問題点を指摘していたが、このスクアレンはサーバリックスとは一切の関係がない。

(普及)
● 現在、公費助成があるのは126市区町村(注:福岡県はゼロ)。1回の接種で15000円くらいなので、12000円以上の助成をしているところはおそらく全額補助だろうと思う。
● 来年度予算の復活枠でワクチンの額の1/3国補助ということで150億円を要求している(総事業費450億円)。本来は3回接種が薬事法上承認されているものの、実態として計算すると2.6回くらいなのでそれで計算している。これまでの調査で接種率は概ね45%なので、モデルはそれで作っている。
● まずは来年度の制度の実現に向けていきたい。本件に関する社会全体の意識が高まってきているので公費助成の自治体の数は増えてくるのではないか。


 さて、これが正しいのかどうかは私には検証できません。反対運動をしておられる方からすれば「全く分かっていない」ということになるかもしれません。ただ、私は検証する力がありませんので、聞いたままをそのまま紹介するにとどめたいと思います。