先日、応援で都城まで行きました。同じ九州なのですがJRで行くと遠かったです。都城市では、やはり色々な場所の出入り口で石灰を捲いた跡があり、また、自動車を消毒するポイントがあったりして、口蹄疫の影響を強く感じました(遅いと叱られそうですが、現場に行って分かることがあるのだと思いました)。


 都城まで行く4時間強の列車の中で、何故かインド映画「DEVDAS」を見ていました。2002年、インド映画最大のヒットでして、珠玉のラブロマンスです。元々はシャラト・チャンドラ・チャタルジーという作家の書いた小説をベースにしていて、既に4回も映画化されています。インドにおいては、語り継がれるラブロマンスなのだろうと思います。こんな豪快な恋愛があるのだと、今一つ鈍感な私は感動しながら見ていました。


 内容はこれらのサイト( )を見ていただくと、私の解説よりもよく分かります。ただ、この映画の一番のポイントは「美しい」ことです。世界一の美女とも言われたアイシュワリーヤ・ライの映像は、どんな偏屈でも「うーん」と唸らされます。あまりに美し過ぎて、現実味が全くありませんでした。助演女優であるマードゥリ・ディクシットも「うーん」と唸らされました。どの映画でも過剰な演技で「やり過ぎだろ、あんた」と思いたくなるシャールーク・カーンも、この映画では感動的なまでに良い演技をしていました。宣伝用のトレーラーを見ていただくと、私の言っていることがよく分かると思います( )。


 今は韓流がブームになっていますが、いつかインド映画がブームになるのではないかと、勝手に私は踏んでいます。インド映画はエロ・グロ・バイオレンスが(少なくとも露骨には)ないので、ある意味安心して見ていられます。韓流映画よりもよりピュアな恋愛感があって、私はとても好きです。


 一般論として、禁忌の多い国の映画というのは、制限の中で表現力を豊かにしていっているので、とても示唆的です。イラン映画の表現力の豊かさは既によく知られているところです。キアロスタミ、マフマルバフ・・・、とても有能な映画監督です。日本でも戦時中の文学というのは、独特の豊かさがありますよね。ハリウッド的で直接的なエロ・グロ・バイオレンスは日本人の深い感性に合わないと私は思います。


 そんな中、この「DEVDAS」、こんなに美しく、しかも泣ける映画を私は見たことがありません。都城に着いた時には感動のあまり、しばらくボーっとしていました。勿論、その後、きちんと応援は気合を入れてやりました。そこは手抜きをしないのが私の主義です。