今、国会では議員会館の建設がほぼ終わり、参議院選挙後に移転します。まだ、私は中を見たことがありません。しかし、かなり広くなるそうです。全体として、私の部屋も、秘書用の部屋も2倍の広さになるそうです。


 私について言えば、別に今の議員会館くらいの規模でも全然問題はありません。議員会館の自室に資料を山のように積んでいる議員がいますが、私は「真に必要な資料以外は持たない」主義なので、議員会館にはあまり資料がありません。したがって、引っ越しも大した分量ではなくて、せいぜい備品込みで段ボール5箱くらいでしょう。議員の中で最も所持品が少ないと思います。広くなることはありがたいことですが、少し持て余すような気もしています。


 ただ、一般論として、現在の議員会館の部屋は来客が来ることをあまり想定していないというのも事実でして、来客が来るといつも窮屈な思いをさせます。その観点からは少し広くなることは良いことなのかもしれません。


 一方で、私は議員宿舎の存在については否定的です。存在意義を肯定できる要素がないのです。衆議院であれば赤坂のど真ん中に3LDKの億ション、まあ普通に住めば家賃は月50万円ですね。実際に払うのは9万2千円。その差額はすべて国からの給付と看做すのが正しい経済の見方です。しかし、どうしても国会議員にそういう便宜を図る必要はないのです。まあ、せいぜい国会から歩いて帰れて、赤坂で夜飲んでも歩いて帰られるというメリットはあるでしょうが、国政の執行において不可欠だと感じたことはありません。


 「何か危機的なことが起こった際、すぐに国会に駆けつけられるように」という、もっともらしい危機管理を理由に提起する人がいます。これはもっともらしく聞こえますが、私が見る限り、あまり妥当性がありません。大災害、有事・・・、そういう時にまず必要なのは政務三役の存在です。政務三役の所在確保については、行政がそれを担保すべきであって立法府がやるべきことではありません。政務三役でも、党幹部でもない議員がどうしても東京都心に巨額の公費補助で住まなくてはならない理由にはなりません(極論すると、そういうケースではノコノコと国会に出てこられても邪魔なことが多いでしょう。)。


 「深夜国会に対応できるように」、気持ちは分かりますが、そもそも深夜国会というのは中身で揉めて深夜まで行くケースは少ないです。国対間の日程闘争の結果、深夜までもつれることが大半です。議員宿舎の存在がなくなれば、そういう時間の使い方を変えようとする力が働くでしょう。


 まあ、私は「議員宿舎売却」と「家賃補助制度の導入」で十分事足りると思っています。公務員宿舎は今、かなり売却が進み、家賃補助に代替されています。ならば、議員も同じ方向を歩むべきでしょう。議員宿舎を全部売却するくらいの気概を見せ、今、住んでいる議員が普通のアパートに転居していく姿がTVにどんどん映るくらいでないと、消費税増税のお願いなんてのは夢のまた夢でしょう。


 この点だけは、どんなに変人扱いされてもしつこく言い続けていくつもりです。絶対に私の主張が勝つ日が来ると信じています。