対イラン制裁について、アメリカは4月末か5月上旬の採択ということで国際的な連帯強化を強めてきています。本当かどうかは知りませんが、バイデン副大統領は「中国も賛成する」という話しをしています。核開発に繋がるような動きを強めてきたことに対して、アメリカは一貫して強気に姿勢を強めてきました。

 イランについては、かつて1996年にアメリカは国内でイラン・リビア制裁法(ILSA)と言われる法律を通したことがあります。まあ、これは法律の域外適用の最たるもので、法律屋さんからすると「こんなヒドい法律はない」と思わせるものでしたが、アメリカの強い意思は伝わりました。今回もイラン制裁法を拡大して、対象となるイランと関係を持つ企業の範囲等、包囲網が拡大してきています。

 ここまでは、メディアにも出ていることなので何も面白おかしくありません。私のポイントはここからです。そろそろイラン側からの譲歩が出てきそうな気がしてなりません。「ペルシャ絨毯商人の本領」はここから発揮でしょう。

 低濃縮ウランの国外搬出+外国での再処理で兵器化阻止、という欧米の要求を一部なりとも渋々受けてくるのではないかなと、本当に何の根拠もなく思っています。こういう時のイラン指導者の「渋々ぶり」は、本当に渋々そうに見せます。しかも、ここでちょっと譲歩を見せると、とてもとても譲歩したように見えるのですね。そもそものスタートラインと比較すると、譲歩したとしてもかなりの前進なのですが、そのあたりの見せ方は結構上手いです。そして、「譲歩」があれば制裁へのモメンタムを完全に殺がれ、本心で乗り気でないと思われる中国あたりが「一抜けた」になるでしょう。

 間違っていたら申し訳ないのですが、これまでのやり取り、非常に既視感があります。ということで、あえて世の流れに抗し、リスクを取って異論を述べさせていただきました。

 ちなみに、イランは「日本は高い原子力技術を実現した。日本みたいになりたい。」と話しているそうです(直接、聞いたことはありませんけど)。日本がこれまでどれだけ透明性高くやってきたか、その努力があったから原発も、プルサーマルもやれているのだ、という事実からは完全に目を背け、結論の所だけでしれーっと「日本のようになりたい」等と言えるあの神経、さすがイラン人だと呆れてしまいます。