国会議員というのは公務員に当たるかどうかという議論があります。色々な議論があるため、確たることがなかなか言いにくいのですが、仮に公務員に当たると解釈したとしても特別職の公務員に当たるとされています。「政治活動をやっていい」とか、「公務員の身分保障がない」とか、まあ、通常の公務員とは異なる扱いがされています。


 その中で、国会議員と(通常の)公務員とは役割が明らかに分けられており、特別な場合を除いては兼職を禁ずる規定が国会法の中にあります。


【国会法第39条】

 議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。ただし、両議院一致の議決に基づき、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、この限りでない。


 さて、これですが、国会議員になって実務的に考えてみると若干窮屈なところがあります。例えば、あの事業仕分け、仕分け人であった議員はどういうステータスで行政の予算決定に関与したのでしょうか。あれはかなり公的なかたちで行政の意志決定に関与したわけでして、どういう権限をどの法律によって付与されていたのかという議論は大いにあり得ます。単なる「国会議員側からの意見聴取+国会議員側からの参考意見」と法的に解釈して切ってしまうことは実態との乖離があるように思います。


 そして、その背景にはこの国会法第39条の規定が重く圧し掛かります。政府に入る、法律で定める、両議院一致の議決による、といったことでないと、公務員として行政に入っていくことができないわけです。


 ここを少し緩めて、政府と与党の間で議員を比較的自由にリクルートできるような仕組みを作ってみるというのは一考の余地ありです。


 例えば、国際会議でも国会議員がやってきても、現時点ではやれることは議員外交的なところに限定されるわけで、あくまでも側面的な役割に留まります。知見を有し、政治的に判断できる議員の知見をフルに動員するということを考えるのであれば、例えば、大使の称号を与えて議場内を動いてもらうというようなことがあってもいいでしょう(まあ、そのためにお飾りではなく、真に役に立つ議員でなくてはならないということは言うまでもありません。手間がかかる議員が来ても邪魔なだけですから。)。


 勿論、仮にこういう一時的な作業で国会議員を政府にリクルートするというのは無給であるべきでして、追加的な予算措置は限定的でしょう。


 あまりやり過ぎてはいけない類の話ですが、少し制限を緩め、敷居を低くすることで、色々なことが可能になるような気がしています。お役所側はこれをとても嫌がるでしょうが、特に政府と与党一体で動こうとするときにこの国会法第39条が圧し掛かってくるのですね。撤廃とは行かないでしょうけども、もう少し緩めることは検討の余地ありかなと思い始めました。


 なお、このエントリーは、同僚議員の傑物、後藤祐一 代議士と議論していた際に出てきたアイデアを敷衍したものです。