我が民主党では一年目の議員に「地元活動に力を入れて、選挙に負けないよう頑張るように。」というお達しが出ています。それをとらまえて、マスコミの方や野党の方から「新人統制」とか、「チルドレン」とか揶揄するような論評がなされることがあります。4ヶ月勤めてみた新米国会議員としての思いを書き連ねます。


 やはり、強く感じたのは「選挙に勝ってきてナンボの世界」だということです。どう表現していいのか分かりませんが、ともかく国会というのはそういう場所なのです。そういう意味で、「選挙に負けないようになってくれば、幾らでも君たちの活躍の世界は広がっている。」という指示というのは、私からすれば「当たり前だろ、そんなこと。」としか言いようがありません。別に息苦しいと感ずることもありませんし、反発を覚えることもありません。


 5期国会議員をやっている方が、「初当選の時は与野党でやはり100名を超える新人議員がいた。だけど、今、国会に残っているのは2割を切るよなあ。」と話しておられました。色々な方から話を聞けば、どの時点においても概ねそれくらいの確率になるようです。今回、初当選組は与野党合わせて150名程度ですから、仮にこの比率をそのまま適用するならば(なお、別に同僚議員の落選を織り込んでいるという意味ではありません。)、2020年を超える頃には30人を切らんとするところまで減るという計算になります。そういう厳しさを自分としてきちんと認識して、その時に「30人」に入るかどうかというのは偏に自分次第だということを噛みしめます。その基本はやはり選挙です。


 時折、新人議員が匿名で「自分はあれをやりたいのに、やらせてもらえない」みたいな不平、不満を言っているのを雑誌で見ます。気持ちは分かりますが、私はあまりそういう感覚になりません。というのも、国会に入った時、「あー、こりゃ色々と学ぶことがあるわ」と感じたからです。どんなに素晴らしい政策を持っていても、それを通すには厳格な手続きがあったりします。そういう「お手続モノ」を習得するだけでも相当に困難です。かつて、官僚を11年半やり、国会に幾度となく通った私が「困難」だと思うわけですから、その困難の度合いは察してください。


 ということで、私は一年くらいは国会の動きを鳥瞰してみようという立場です。政策は資料を読めば分かります。自分なりにアイデアもあります。ただ、それを通せないのであれば、ただの独りよがりで意味がない、その下積みはしっかりやらせてもらおう、そして4年経った次の選挙時にこの福岡9区の方を始めとする国民各位にしっかり評価されるようになろう、まあそういう気持ちです。


 そういう思いを持つ者からすると、「選挙に負けないよう、地元活動頑張れ。」という指示があれこれ揶揄されるのは「変なの」という気持ちです。