あまり、私はタイ情勢については自信がないので、偉そうなことは言えません。ただ、ASEANの会議は中止になるわ、首都でもデモは起きるわ、東南アジアの雄だったタイも相当に評判を落としました。「あーあ、この騒動は尾を引くだろうな。タイの信頼性は下がるだろうし。」と思います。昨年は反タクシン派が空港を占拠して、タクシン政権を倒しましたが、今回はその逆の構造です。
ぼんやりと2つ思ったことがあります。
まず、タクシンは外国から相当にカネを使っているだろうな、ということです。タクシンの支持層は収入の高くない層であって、タクシン政権が人気があったのはバラマキをやっていたからだと思っています。タクシン自身、実業家として相当に裕福です。今回の騒動とて、何か政治的な思想対立があるようには見えません。単にアビシット政権の脆弱化を狙ったタクシンの揺さぶりですからね。表に見えてくることはないでしょうけど、相当にカネを使っているはずです。タクシンは、カネをばらまいてタイの国際的な威信を地に落としてまでも政権に戻りたいということなんでしょうかね。それはそれで亡国の徒だと思いますけど。
あと、こちらの方が重要なのですが、タイの国際的威信がこれだけ揺るがんとする事態にもかかわらず、プミポン国王が全く介入していないことが気になります。歴史を見ていけば、タイという国が荒れている必ずプミポン国王が良いところで仲裁に出てきて、それで事態は解決に向かうことが多いです。国王の威信というのは、我々の想像を超えたところがありまして、どんな軍人でもその威光に逆らうことはまず無理です。そして、これまで国王はこういう事態では何らかの意思表示をしてきたものです。かなり全面に出てきて、大岡裁きをすることもあれば、不作為というかたちで不満の意を表明するところまで、いろいろなやり方があります。その国王の姿が全く見えてこないのが不思議でなりません。それ自体が何らかの意思表示なのか、それとも、体調でも悪いのか、うーん・・・と考えています。
東南アジアはまだまだ何処も民主主義的な素地が安定的に根付きませんね。私は民主主義への歩みというのは紆余曲折があって然るべしと思っているので、あまり焦ることなく、少し長期的な視点で見るようにしています。欧米のように、少しでも民主主義への後退した動きがあると教条的な批判をすることはしたくないですね。