最近、よく書くものとして「報道各社からのアンケート」というのがあります。特に政策に関するものは吟味して書いています。


 その中でいつも困るのが、二者択一的な問です。あまり具体的な例を出してはいけないので、少し改変すると、例えば「あなたは憲法改正に賛成ですか?」という問があるとします。それは、社会の変遷で生まれた新しい権利(環境権、プライバシー権等)についてなのか、憲法9条についてなのか、それ自体とても悩まされるわけです。


 そうすると、回答が与える印象から答えを導き出さざるをえないわけですね。「憲法改正に賛成」→「自衛隊の海外派兵(派遣ではない)賛成」→「超タカ派」というふうに思われても本意ではないので、結局色々な葛藤を持ちつつも、「反対」というところにマルを付けたりします。自分が本当にどういう思いを持っているかとは別の次元で、問が醸し出す雰囲気を推察してしまうわけです。


 もう一つ例を出すと「集団的自衛権の行使に賛成か反対か?」と聞かれたとしましょう。私はそもそも自衛権を考える時に「集団的」「個別的」という分け方をしないで、「日本が自国を守るために必要な自衛とは何か」という本義からスタートして何をすべきかという論理構成をする人間でして、その枠内で認められるべきものの中にはいわゆる集団的自衛権もあるでしょうし、個別的自衛権の中でも認められないもの(例えば、アメリカのアフガン攻撃は個別的自衛権と位置付けられていますが、あれが日本に許されるかどうかというと議論があるでしょう)があると思っています。そういう発想をしていると「集団的自衛権の行使に賛成か」と聞かれても、「さあ、そういう論理の組立てをしないんですけど・・・」と思ってしまうわけです。ただ、答えにごちゃごちゃ書いて「一概には言えない」みたいな結びにすると、「無回答」とかに分類されちゃいそうなので、結局、答えが与える印象を自分なりに推察して回答するわけです。


 報道各社のアンケート、これを見て人となりを判断される方も多いと思うので、きちんと対応しようと思うのですが、なかなか難しいもんだと感じています。