題だけ見ると「ん、代表選・総裁選の話か?」と思われるかもしれませんが、そういう政局絡みの話はよく分からないところも多いですし、論評してもあまり有益だとは思えないので止めておきます。


 先日、イギリスの新聞をチラッと見ていたら「何故、うちの国の女性政治家はフランスの女性政治家と比較してモサいのか?」という記事がありました。実はイギリスの新聞では、何年かに一回こういう記事が出ます。私が見るのは3度目くらいです。


 フランスの女性政治家というのはオシャレな人が多いと言われます。左派で言うと、先の大統領選に出たセゴレーヌ・ロワイヤル は日本でも少し評判になりました。あと、エリザベート・ギグー 元雇用相もなかなかシャレています。右派ではヴァレリー・ペクレス 高等教育相や最近お騒がせのラシダ・ダティ 法相などが目立ちます。政治家ではありませんが、サルコジ大統領夫人のカーラ・ブルーニ なんてのは、元々モデルですからね。


 イギリス人はどうもこういうのを羨ましく思うみたいで、「なんで、うちの女性政治家は服装からしてあんなにモサいのだ?」という記事になるようです。サルコジ訪英の際は、カーラ・ブルーニがとても注目されていましたし、私が最近読んだ記事でも自国の女性政治家のファッションをボロクソに貶していました。


 まあ、感性の違いなのかなとも思いますが、正直なところ私にはよく分かりません。フランスの方がファッションがイケてると簡単に纏めることができるのかもしれませんし、深く考えて「公職」と「プライベート」の境目に対する考え方において、フランスでは「プライベート」をより強く主張することが当然視されているというふうに見ることができるのかもしれません。


 私は政治に色々な意味でヴィジュアル的要素があることは良いことだと思いますし、そういう意味で自己主張されるのも大歓迎です(勿論、中身が伴うことが大前提ですが)。日本の政治家の中にもファッション性豊かな方は男女問わずいますが、総論としては議員会館の中はモノトーンな感じのおじさんが大多数です。多分、日本の平均水準以下です。「もうちょい気を使ってもいいんじゃないかな」と思わなくもありません。


 ・・・と、ここで終わろうと思っていたのですが、もう一言。最近、日本の新聞で取り上げられていましたが、上記のラシダ・ダティ法相が婚外子を妊娠したということで評判になっていました(父はスペインのアズナール元首相では?という噂もありました)。しかも、同法相は「私のプライベートは複雑。それ以上のことはマスコミには話さない。」というコメントをしていて、何となくそれで話は終息しつつあります。これも政治文化というか、「公」と「私」の考え方の違いなのかなと感心しました。


 「政治家は公人」→「だから、公人である以上私生活はオープンに」という理屈で、プライベートにまでどんどん入ってくる日本のマスコミはあまり好きではありません(政治家の中に、売名行為でプライベートを切り売りする人がいるのも事実ですが)。かつて、ミッテラン大統領が就任直後に隠し子のことについて質問されて、「et alors?(で、何か?)」と聞き返していました。それ以上はあまりしつこく追及されなかったのですが、その感性、写真週刊誌文化に馴染んでしまった日本人も少し見習うべきところがあるんじゃないかと思います。


 なお、念のためですが、私にはその手の事実はありません。