オリンピックが終わりました。日本は金メダル9個でしたね。金メダルがすべてではありませんが、どうしても韓国が13個で、日本が9個だと非常に悔しい気分になりますね。


 しかも、日本の金は二連覇の人が多いのですね。柔道の内柴、谷本、上野、水泳の北島、レスリングの吉田、伊調で7つの金メダルはアテネでの金メダリストですから、今後大丈夫かなと不安になります。


 そういう中、非常に注目される国があります。イギリスです。2012年のロンドン・オリンピックがあるせいでしょうか、今回19個と非常に活躍しました。


 かつて、イギリスは非常に停滞した時期がありました。最悪だったのは1996年のアトランタ。ボートで金を一つ確保しただけでした。当時フランスに私はいましたが「イギリスってスポーツがダメな国だよな」と思ったものです。シドニーではかなり持ち直して11個、アテネでは9個でしたが、今回19個と大躍進でした。どうも自転車、ボート、ヨット、5種・7種競技といった日本では必ずしも超メジャーではない競技で強いみたいです。


 イギリスがアトランタでどん底だった原因には、サッチャー政権でスポーツ予算が削られたとか、学校教育の中でスポーツが軽んじられたとか、色々な説明があるようです。どれが正しいのかは私には分かりません。


 ただ、12年前には1個しか金メダルが取れなかった国が、今回19個ですからね。国策として何がしかの力を注いだということは否めないでしょう。ロンドン・オリンピックを前に恥ずかしい数字は出せないという思いもあるのかもしれません。


 今回、日本は9個でしたが、次回三連覇を実現できる選手はそうそういないでしょう。やはり、金メダル候補を積極的に育成していかないといけないわけです。イギリスは予算を増加させたということのようです。お金を付ければ金メダルが増えるという相関性がどの程度あるのかは分かりませんが、日本のスポーツ競技者の中にはレベルは高いのに生活に困窮している人が結構います(私の知り合いにもいます。)。


 よく「オリンピックは参加することに意義がある」みたいに言う方がいます。その気持ちを全否定はしませんが、そういう綺麗事ではないんじゃないかと私は思います。「国威掲揚」、古い言葉ですが、やはり日本人として金メダルが増えれば嬉しいし、日本全体にとっても良いことだと思うんですね。素直に世界の舞台で日の丸と君が代が流れることに誇りを持っていいんじゃないかと思います。


 2016年東京オリンピックを目指すなら、やっぱりロンドンではそれなりの成果を挙げてほしいというのが自然な感情でしょう。そのために予算増が必要なら、色々と打てる手は打てばいいと思います。ただ、幾つか注文があるとすれば、国内の選考プロセスで負けた選手を「実績」という不透明な基準で選んだりすることは止めるべきですし、JOCの緩い体質を改めるべきですし、まあ、単にお金の話ではないんだろうなとは感じます。