「道」というほど大したことはないのですが、最近、私の最大の課題は「如何に上手くポスターを貼るか」ということに集中しています。お金のない身としては、一枚ポスターがはがれ、補修に行くたびに「あーあ、これ1枚●●円するんだよな。」と、頭の中で安くはない金額の硬貨がチャリーンと出ていく音がして泣けてきます。


 「上手く」というのは、とどのところ「長持ちをする」ということなのですが、これがなかなか難しい。雨が降るというのが一番の敵です。最近、なかなか雨が降らなかったのですが、私は不謹慎にも「ああ、また今日もポスターがはがれずに済む。よかった、よかった。」と安堵したりしていたものです。


 次の敵は「ダンゴ虫」です。ポスターと壁の間に隙間ができると、なぜか「ダンゴ虫」が入ってくるのですね。そうすると、粘着性はなくなりその箇所からポスターがはがれていきます。しかも、ダンゴ虫がくっついていると何とも言えないイヤな感じがするものです。両面テープの接着面のところにダンゴ虫がたくさん着いたポスターを回収する気分、想像してください。


 つまり、コツというのは「水滴やダンゴ虫が入る隙間ができないくらいピシッと貼る」ということに尽きます。まず、難しいのは壁の材質です。最近は皆様、良い家が増えてきてそもそも「壁」と言えないような形状のもので家が囲まれていることが多いです(生垣とか石とか)。ポスター貼りをお願いに行っても、コテンパンにやられてしまうのは大体ここ数年の間に開発した新興住宅街ですね(そもそも貼れる場所すらないので)。また、壁の材質がギザギザしていたりするとキツいですね。「貼ってもいいぞ」とありがたく言っていただいた後、かなり凹凸のある壁の前で悩むこともしばしです。


 逆に一番ピタッと来るのはブロック塀です。しかし、ここもコツがあります。よく言われることとして「ポスターは周囲四辺だけに両面テープを貼るだけだと粘着が弱いから、四辺+中央にバツ印を描くように両面テープを貼るべき」というのがあります。裏に貼る両面テープの量は増やしておく方がいいという判断だろうと思います。普通に考えればそうでしょう。粘着部分が多いと強い、自明の理のように思えます。


 実はこれは(主としてブロック塀については)違うということに最近気づきました。たくさんテープを使っても逆効果という意外な事実を発見しました。というのも、ポスターを貼ってから日が経つと、テープもポスター本体も少し縮みます。しかし、その縮む度合いが違い、テープの方が縮む度合いが高いため、ポスターを貼る際にテープをあまりたくさん使うと、テープの縮み具合に引っ張られるかたちでポスターが必要以上に縮んでしまうのです。そうすると、ポスターと壁の間に不必要な隙間ができてしまい、結局長持ちしなくなるのです。


 当初、私は単純なのでたくさん両面テープを使ってポスターを貼っていましたが、何処も失敗して、今は非常にシンプルに四辺だけに両面テープを使い、必要に応じて補強する程度にしています。これが一番いいようです。


 ということで、次期衆議院候補予定者というのは、日々こんなことを考えながら生活しているという、あまり模範的でない例をご紹介させていただきました。