「居酒屋タクシー」なる言葉が最近取り上げられています。公費で乗る深夜タクシーで、タクシー側からビール、金券等の提供を受けていたことが批判されているということです。公費とはいえども、どのタクシーを選ぶかは各人の選択に任されている中、固定客を確保するためのタクシー側の営業努力ということなんだろうと思います。


 そのことについての思いは後で書きますが、報道を見ていて「あれっ?」と思ったことがありました。財務省があれこれと叩かれており、その一方で外務省は「該当なし」ということになっているそうです。


 この事について言を尽くすことはしません。「外務省がゼロということはあり得ない。何故なら、そういう供与を受けた人を私は知っている」、そういうことです。誰が事実を語っていないのかは分かりませんが、本件について外務省がゼロというのは事実に反しています。なお、私はそういう供与を受けたことがありません。というのも、私は池尻大橋というところに住んでいたので、タクシー料が高額にはならないのです。固定客で抱え込むほどのメリットもなかったわけです。


 ちなみに、この件についてはまず明確にしておきたいのは、これはタクシー側の自発的な便宜供与であって、それがあろうとなかろうとタクシー代には影響はないということです。「だから問題がない」というつもりは毛頭ありませんが、国庫に穴を空けているわけではありません。むしろ、タクシー業界側の内部規律に反してそういうサービスを提供していることが問題なのであり、その上で、そういう誘惑に(法令に反するかたちで)乗ったお役人が非難されるべきだと思うわけです。


 ただ、この問題の裏で「何故、そういう残業をしなきゃいけないのか」ということについて思いを致す必要があります。何故、お役所は膨大な残業を強いられるのか、そういうことにまできちんと配慮しないと本件は表層的な解決に終わってしまいます。次回は「なんで残業が多いのか」ということについて、思うことを書いてみる予定です。