ちょっとローカルな話題を基本に、公務員の在り方を考えてみたいと思います。今回のエントリーはとある方からの指摘が元ネタです。その点はきちんとお断りしておきます。


 我が北九州市では校区毎に市民センターがあります。地域コミュニティーの中核となる場所でして、自治区会がしっかりとしています。各種行事、集会等がよく開かれます。私もよくお世話になっています。


 ところで、今、この市民センターの館長さんの採用ルートというのは2つあるそうです。市の退職者の再雇用と一般公募です。北九州市立大の調査では、公募系館長が頑張っている(決して再就職系館長が頑張っていないということではなく)という結果が出ています。


 ここまででしたら普通のことなのですが、ちょっと疑問に思うことがあります。再就職系と公募系の館長との間に給与格差があるのです。そもそも採用の基準が違うのですね。再就職系の方は、本人の希望や所属する部局からの推薦を受けた採用、公募系の方は書類選考と面接で判断する採用(事実上の試験)になっています。多分、制度運用としては再就職系館長の方がハードルが低いのではないかと思われます。これはこれで問題なんじゃないかと思いますが、更に問題が大きいのが報酬の格差です。


 簡単に言うと、再就職系館長は、年金支給までの間は公務員の再任用制度が適用され、報酬額も再任用制度の給与が基準になります。一方で、公募系館長は市の嘱託職員の給与がベースになっています。その結果として、再就職系館長の給与が高くなるということです。算定のベースが違うから給与も違って当然、それが北九州市の説明です。


 行政官の間での説明としては理解できなくもないのですが、民間の発想では、同じポストで同じことをやっているのに給与が違う、しかも公務員の再就職系館長が給与が高いという事実をそのまま受け入れることが出来る人はそうそういないのではないでしょうか。普通に考えたら納得できないでしょう。官尊民卑と言われかねない状態ですね。


 同じポストで同じサービスを提供している人には同じ給与、こういう当たり前のことが通用する社会にしていく必要性を再度肝に銘じました。