「なしか!」というのは「何故なの?」くらいの意味の方言です。パーンッと言い放つ語感が大事です。


 少し前になりますが、東芝の半導体新工場の立地場所をめぐって、我が北九州市と岩手の北上市が激しく争いました。かなり良い勝負だったと思いましたが、結果としては北上市が選ばれることになりました。総計1兆数千億円と言われる投資で、地元雇用への影響も大きかったであろう案件だけに残念でなりません。


 両市が出していた誘致条件はそんなに大差なかったのではないかと思います。細かいことを言えば、電力の値段とか、工業用水、補助金額、色々と比較することはできます。ただ、冷静に考えた時に、私は「実は・・・、もしかして・・・、いや・・・、そんなことはないと思うけど、ひょっとして・・・・、うちの街ってイメージ悪いんじゃない?」を思ってしまいました。


 先日も発砲事件が全国的に取り上げられました。いつも、この手の事件があると親切な東京の友人が「おまえの街だろ、大丈夫か?」と連絡をくれます。住んでいるとあまり感じないのですが、たしかにこの街は発砲事件が多いのです。しかも、生活保護で「闇の北九州方式」などというありがたくない称号も頂きました(これは生活保護希望者に対して申請書を渡さないことで生活保護受給額を抑え込んだ方式のことです。2年くらい前にこれを原因とした餓死者が出たことで全国的にスポットが当たりました。)。


 あまり自分の街を腐すのは本意ではないのですが、こういうことの積み重ねってしまったのが大きいような気がしてなりません。投資しようという方の脳裏に「けど、用地取得の際ゴタゴタするかも」とよぎっただけで、もうかなりのビハインドです。そういうビハインド要素がたしかに多いと思います。


 さて、これをどうするか。あまり妙案はないのです。治安回復等課題は山積です。最後に拠り所になるのは「市民一人一人の意識」です。何とか少しでも「北九州市」→「大丈夫なの?」と思わせない努力を続けていきたいものです。